池川伸一「幽霊坂悲劇」(1973年4月30日発行)
「ある冬、弘子の家が営む旅館に須田光一郎という青年が訪れる。
二年ぶりに再会した光一郎に弘子は淡い恋心を抱くが、光一郎にはどこか暗い影があった。
用途不明の手術道具、徹底した菜食主義、押し入れの中に隠された塔婆、そして、奇行の数々…。
実は、光一郎はあらゆる動物を愛するという教えのジイナ教にはまっていたのであった。
また、幼少の頃から、他のものに影響されやすい光一郎は、動物の近くにいると、顔がその動物にそっくりになってしまう。
そして、光一郎の究極の目的は、動物愛による手術で死んだ動物を生き返らせることであることを、弘子は知る…」
個人的には、なかなか読み通せない一冊でありました。(読んでいる途中で、気力がどんどん萎えていきます。)
正直なところ、ワケのわからないマンガであります。(第一、ジイナ教って何なんだよ?!)
ただ、ラストの手術シーンが意外に面白く、ちょっぴり得した気分です。
「動物愛」 meets 「RE-ANIMATOR(死体蘇生者)」(注1)なんてマンガ、このマンガ以外に存在していないのでは?
動物を憎みまくる少女が主人公の「殺子・殺子の母」の真逆にあるとあるのかもしれませんね。
とにもかくにも、当時の読者のチビっ子達には、さっぱりウケなかっただろうと思われます。
・注1
「死体蘇生者」と言えば、「ハーバート・ウェスト」なのであります。
私、H・P・ラヴクラフト「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」を約20年ぶりに読み返しました。思った以上に面白かったです。
この小説の映画化が傑作「ゾンバイオ 死霊のしたたり」(1985年/スチュアート・ゴードン監督)なのですが、ラヴクラフトの名を借りただけで好き勝手にやったものと思いきや、実際は、かなり小説をなぞっていることに初めて気付きました。
でも、やっぱりワヤクチャな映画なのですが…。
2016年5月30日 ページ作成・執筆