御茶漬海苔「魔夜子ちゃん@」（1996年1月15日発行）
魔夜子の願いは、もう一度、ママに会うこと。
そのためには、閻魔大王から、一年以内に、人間の命を百個集めるよう命じられていた。
人が殺意を抱く時、その人の前に、魔夜子が現れる…
・「第一夜 悪魔ノート」（「恐怖の館ＤＸ Vol.24」）
「田園中学校。
秋保は、童話が書くのが好きな、大人しい少女。
だが、学校でひどいいじめを受け、書く童話も醜い内容となる。
そんな時、魔夜子が現れ、秋保に「悪魔ノート」を差し出す。
これは書いたことが実現するノートで、秋保は、苦しみ、悲しみを全部、ノートにぶつける。
魔夜子はこれでいじめられることはないと保証するが、翌日、秋保が恐る恐る登校すると…」
・「第二夜 地獄人形」（「恐怖の館ＤＸ Vol.25」）
「黒犬秀子はガリ勉女子。
本当は皆と遊びたいが、一番を要求する母親からの猛烈な圧力に逆らえない。
しかし、学年末テストでは、三位という結果となる。
絶望した秀子が、母親の死を願った時、彼女の前に魔夜子が現れる。
魔夜子は秀子に「地獄人形」を渡し、これに願いを伝えれば、何でもしてくれると説明する。
地獄人形は秀子の母親を殺そうとして、秀子は必死になって止めようとするのだが…」
・「第三夜 地獄手鏡」（「恐怖の館ＤＸ Vol.26」）
「私立東中学校（以降、ここが舞台）。
川合素之子は、いじめっ子グループに凄惨ないじめを受けていた。
また、両親を亡くし、引き取られた親戚の家では、厄介者扱いされる。
そんな彼女の前に、魔夜子が現れる。
魔夜子は素之子に、人を呪い殺せる「地獄手鏡」を渡そうとする。
だが、素之子は受け取りを断固拒否。
すると、涙ながらに、魔夜子は自分の境遇を語りだす…」
・「第四夜 地獄裁縫箱」（「恐怖の館ＤＸ Vol.27」）
「いじめっ子グループの一人、美山は、パーマをかけていると、鬼教師に髪を切られる。
憎しみに燃える彼女の前に、魔夜子が現れ、「地獄裁縫箱」を渡す。
これで憎む人物の人形を縫い、その人形にダメージを与えると、当人にも同じ効果を及ぼすのであった。
美山は復讐を喜ぶが、徐々に、鬼教師の怨霊に憑りつかれていると思い込むようになり…」
・「第五夜 地獄帽子」（「恐怖の館ＤＸ Vol.28」）
「いじめっ子のグループは、美山の自殺が、素之子のせいだと考える。
彼女達は素之子を、美山家の墓前に連れて行き、謝るよう強いる。
いじめの後の帰り道、いじめっ子の一人、村山青子は、通り魔に遭遇。
顔を切り裂かれ、命の危険を感じた時、彼女の前に、魔夜子が現れる。
魔夜子が、かぶると人を殺せる「地獄帽子」を青子に渡すと…」
・「第六夜 地獄オルゴール」（「恐怖の館ＤＸ Vol.30」）
「いじめっ子の一人、美佐子は、遊んでとしつこくまとわりつく妹の明子にウンザリ。
ある晩、美佐子は明子に、マンションの屋上から跳び下りたら、遊んであげると言う。
すると、本当に明子は跳び下りてしまい、病院に運ばれるが、意識不明の重体となる。
美佐子は、明子の意識が戻ると、自分のしたことがばれる怯える。
そんな彼女の前に魔夜子が現れ「地獄オルゴール」を渡す。
これは、中に願いを書いた紙を入れると、その通りになるというものであった。
美佐子の願いとは…？」
・「第七夜 地獄メンソール」（「恐怖の館ＤＸ Vol.31」）
「東中学校にやって来た、季節外れの転校生、鬼山蛇子。
彼女は金持ちで天才だがマッドな医師の娘で、性格は超ヤバかった。
初登校早速、いじめっ子のグループを支配下におき、素之子をいじめの標的に定める。
そして、理科実験室で、素之子の開腹手術を始めるのだが…」
・「第八夜 地獄コンパクト（前編）」（「恐怖の館ＤＸ Vol.32」）
「魔夜子のお陰で、素之子は命が助かる。
しかし、蛇子はそれに納得せず、再度、手術をしようとしたところを、島岡という女教師に見つかる。
島岡は蛇子を詰問するが、たかビーな蛇子は父親の威光を背にとっとも反省せず、島岡は蛇子の頬を打つ。
怒り沸騰の蛇子の前に、魔夜子が現れ、「地獄コンパクト」を取り出す。
これは、コンパクトに殺したい者の名を言れば、好きなように殺せるというものであった。
蛇子はこのコンパクトを魔夜子から奪い取り、そして…」
御茶漬海苔先生にとって初めての「毎回同じキャラクターが登場する連載もの」だそうです。
御茶漬版「ドラえもん」みたいな感じかと思いきや、物語が進むにつれ、エキセントリックな鬼山親子の登場場面が増え、予想外の展開を見せます。
かなりの意欲作ではないでしょうか。
2019年10月18日 ページ作成・執筆