犬木加奈子
「スクールゾーン@」(1996年10月5日発行)
「スクールゾーンA」(1997年7月4日発行)
「スクールゾーンB」(1997年10月5日発行)


・単行本@
「小学六年生になった四月、南加陽介は、通学班の班長となる。
 彼が率いるのは、双子の美子と摩子(五年生)。
 一人コックリさんをしてから、おかしくなった少女、キミ。
 学校を異常に怯え、陽介を慕うトオル(一年生)。
 スクールゾーンを抜ければ、そこは小学校。
 彼らが通う小学校には、異様に怪談話が多かった。
 学校の中央階段の踊り場にある大鏡の噂。
 生徒達から取り上げられた人形が捨てられる「人形の墓場」の噂。
 交通事故死した班長が子供達をさらう、「影男」の噂。
 同じく、交通事故死した、新任の女教師が、授業時間中の廊下で、生徒と教室を捜しているという「レイ子さん」の噂。
 保健室で孤独死した「マツ子」の噂…etc,etc。
 そして、13番目の怪談を知った者には恐ろしいことが起こるという。
 ある日の放課後、クラスでいじめを受けていた陽介は、クラスメート達に追い詰められて、校舎の屋上から跳び下り自殺を図る。
 だが、彼が落ちたのは、大鏡のある、階段の踊り場で、彼は、鏡の中の妖怪に憑りつかれる。
 以来、この学校では、怪談話が現実となって、生徒達を襲い始めるのであった…」
(「恐怖の館」1996年4月号〜8月号掲載)

・単行本A
「校内で起こった殺人事件のため、全児童は一斉下校となる。
 だが、キミが保健室に閉じ込められたままで、「マツ子」に襲われる。
 更に、人間の肉体を奪った「レイ子」まで現れ、大ピンチ。
 キミが助けを求めているのを感じ、陽介は学校へとテレポートする。
 彼はキミを助けたものの、そこは鏡の中の世界であった。
 一方、自分の班の下級生を影男にさらわれた堺守(さかい・まもる)は、陽介の行を捜して、学校へと戻る。
 彼は、学校の用務員と共に、もう一度学校を見回り、その際、階段の踊り場の大鏡は「魔封じの鏡」と知らされる。
 「魔封じの鏡」の秘密とは…?」
(「恐怖の館」1996年9月号〜1997年1月号掲載)

・単行本B
「校長の命により、階段の踊り場から全ての大鏡が撤去され、「やみの学校」が現実化していく。
 児童達は、トイレ、教室、保健室、また、帰り道でも、「13怪談の妖怪」によって危険にさらされる。
 陽介は、児童達を救うべく、奔走するのだが…。
 彼と一体化した「妖怪」の正体とは…?」
(1997年「恐怖の館」2・3・5・6・7月号掲載)

 袖によると、「ホラー界の女王が贈る初のノンストップホラー」とのことで、その言葉に嘘偽りはございません。
 怒涛の恐怖描写が息つく間もなく繰り出され、ラストまで、ハイ・テンションを保ち続けます。
 個人的は、楳図かずお先生の作品に最も近い感触がある印象を持ちました。
 ただし、そのテンションの高さが、犬木先生の「繊細さ」を相殺しているかもしれません。
 そのために、ストーリーが若干、把握しにくくなっているように思います。(個人の感想です。)
 ちなみに、これは「第一部」とのことです。
 第二部はいまだ描かれていないようですが、構想等、あるのでしょうか?
 気になっております。

2020年4月27・29日 ページ作成・執筆

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