「土曜漫画 1968年11月8日号」(80円)



 個人的に、気になった作品

・篠原節「深山に泣く女」
「山形県最上郡の山中。
 今熊山の麓の原生林に囲まれた長倉川の谷間に一軒の旅館がある。
 この温泉の浴場には今熊神が祀られており、入浴客は腰に白布をまとって、合掌して入るという、奇妙な風習があった。
 男は浴場で地元の女性と出会い、翌日、イワナ釣りの穴場に案内してもらうこととなる。
 人目が全くない場所で、男は彼女にせまるが、「今日はダメ」と拒まれた挙句、逃げられる。
 仕方なく男が川面に釣り糸を垂れていると、川上から「緋鯉」が流れてくるのだが…」
 篠原節先生(注1)は「毎号いろんな温泉にいっては、そこで出会った女とセックスをするという陳腐すぎる絵物語」(注1)を描いた御人です。
 当初は、ギャグ漫画風の絵柄でしたが、つげ義春先生に影響を受けたのか、ムダに鄙びた情景の中、ムダに鄙びたドラマが進行する内容へと変化していったように思います。
 この回なんか、ぶっちゃけ、ラストは、つげ義春先生の名作「赤い花」。(「緋鯉」の正体はアレです。)
 でも、最終的にはセックスの話になるので、余韻というものは全く作品から感じられません。
 その代わりと言っては何ですが、山奥の温泉に伝わる、奇妙な風習が描かれているのは興味深くあります。

・岩浪成芳「恐怖のコンピューター」
「地球を狙ったミサイル攻撃。
 間一髪でミサイルを迎撃し、ミサイルを誘導したと思しきUFOも墜落する。
 UFOの中から現れたのは若い女性で、彼女は、地球人に降伏せよと繰り返す。
 彼女の正体はロボットで、指令電波の出所を調べると、シリウス星から送られていることがわかる。
 地球人は、ミサイルを積み込んだ超大型宇宙船でシリウス星を目指し、九年後に到着する。
 だが、星には全く人の気配がない…」

・田中八郎「げきが太閤記 天下逆風の駈引」
「本能寺の変の後、秀吉は光秀を討ち取ることに成功。
 次いで、織田家の跡取りに信長の息子を立てようとする柴田勝家も破り、この世は秀吉の天下となる。
 一方で、軍の規律が乱れ、夜這いが横行した際には、違反者はことごとく「チン斬り」となる。
 秀吉は、中部の徳川家康と手を組むために、夫婦好感を申し出るのだが…」
 日本史をきっちり勉強したことがないため、漫画の内容が正しいのかどうかよくわかりません。
 間違っていたら、ごめんなさい。

・注1
 「土曜漫画 1963年8月30日号」掲載の「新人まんが」コーナーに、篠原節(福島県)の「物騒な世の中になったねえ……」という一コママンガが選ばれている。
 こういう投稿を続けた結果、「土曜漫画」で連載を持つに至ったのかもしれない。
 なお、その後の活躍は不明。

・注2
 「エロマンガ・マニアックス」(太田出版/1998年12月19日発行)p168より引用。

2019年9月28日 ページ作成・執筆

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