「土曜漫画 1968年12月6日号」(100円)



 個人的に、気になった作品

・いばら美喜「仇なさけ」
「間勘十郎を討つため、深い山中を訪れた武士。
 ここは、先に追討に向かった、小野派一刀流免許の孫七が変死を遂げた場所であり、その死に様は、下半身が焼けただれて死ぬというものであった。
 山道で、武士は間勘十郎の一味と鉢合わせ、二人を斬殺するも、肝心の勘十郎に逃げられてしまう。
 追おうとする武士を、滝で水に打たれていた女性が呼び止める。
 彼女はもう日が暮れるので、今晩は彼女の家で休むよう勧める。
 彼女は炭焼きの妻で、夫は一か月は山を降りてこないと言う。
 夜更け、女は裸となり、武士に抱くよう迫るのだが…」
 名品だと思います。
 もしも、いばら美喜先生の作品が復刻がされる機会があれば、候補に挙げたい一作であります。
 毎度のことながら、荒唐無稽な発想ですが、ちゃんと伏線を張ってあるのに、妙に感心してしまいました。

・岩浪成芳「死神を見た男」
「ドブネズミの綽名のある、醜く、ひょろひょろな青年、柳次郎。
 彼には科学的才能があり、今までバカにしてきた女にぎゃふんと言わせるべく、スケスケ眼鏡(作中では、四次元鏡)を開発する。
 だが、この眼鏡で人を見ると、服が透けるだけでなく、相手の生命エネルギーまでも視ることができた。
 更に、彼は、生命エネルギーを吸い取る、謎の生物(作中では、死神)の存在を知る。
 彼は死神について研究し、その弱点が磁石であることを発見するのだが…」
 「死神を見る」というテーマに、B級SFホラーの要素を絡めた、なかなか面白い作品です。
 愛しのあの娘を救うために、U字磁石を振り回すガリガリくんの雄姿が心にしみいります。

・備考
 p128頃より、下隅角に折れあり。

2019年2月21・23日 ページ作成・執筆

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