牧野和子「見えない悪魔」(神保史郎・構成/1969年8月1日発行/なかよし第15巻第10号付録)

「夏休み。
 小学三年生の一条由佳は、姉、由紀子の嫁ぎ先を訪ね、単身で東京に向かう。
 田園調布にある白木家にようやく辿り着くと、姉の姑に迎えられる。
 家に姉の姿はなく、大学の助教授をしている、夫の竜也の手伝いをしていると説明される。
 ちょっぴり残念に思うものの、由佳は、隣に住む風間真二という少年と仲良くなり、楽しい時を過ごす。
 晩方、竜也は帰宅するものの、姉はまだ戻ってこない。
 その夜、怖い夢を見た由佳が目を覚ますと、どこからか女の人の泣き声が聞こえる。
 夢かと思ったが、その次の夜も、女性の泣き声が聞こえ、更に、ドアが施錠されていた。
 竜也とその母親を心配させたくなく、由佳は、真二に相談するが、全く信じてもらえない。
 また、不在の姉から電話がかかってくるものの、会えない旨のみ一方的に告げて、切れてしまう。
 不安に沈んだ由佳を見かねて、真二が夜、彼女の部屋で見張りをすることになる。
 そして、彼は、由佳と同じく、女性の泣き声を耳にする。
 ドアも閉まっており、二人が窓に向かうと、竜也とその母親が裏庭に何かを運んで、埋めるところを目撃する。
 二人が後で調べると、裏庭に埋まっていたのは、金貸しの老婆の死体であった。
 由佳と竜也はひそかに竜也とその母親を見張る。
 泣き声が聞こえてくる屋根裏部屋の秘密とは…?」

 少女向けのサスペンス・スリラーでして、さすがに今読むと、ちっとも怖くないです。
 グロ描写も全くと言っていいほど、ありません。
 恐らく、牧野和子先生は「怪奇マンガ」に思い入れがなかったのでありましょう。
 そのためか、「サインはX!」原作者の故・神保史郎氏が関わっているのに、面白味の乏しい作品になっているように思います。

 次回予告に「夏休み恐怖まんがシリーズ第2弾」として、灘しげみ先生の「赤い目のミドリ」が紹介されております。
 ちょっと気になってますが、いつになったら、読めるのか、神様のみが御存知です。

・備考
 表紙シミあり。

2017年10月6日 ページ作成・執筆

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