古賀新一「のろいのこぶ少女」(りぼん2月号付録/1968年2月1日発行)

「花岡絵里は美しく、才能豊かな女の子。
 転校して、たちまち学校の人気者となる。
 また、父親は、大きな病院の院長を勤め、立派な邸宅に住むお嬢様でもあった。
 ある日、絵美は衛生室で左側の頬に包帯を巻いている少女、ユカと出会う。
 彼女の頬のこぶはひどく痛むらしいが、決して包帯の下を見せようとはしない。
 そして、絵美が衛生室を立ち去る際に、このことを他言しないよう厳しく言う。
 とは言うものの、ユカのあまりの苦しみように、絵美がこっそり衛生室を覗くと、ユカはナイフで頬のこぶを切り落とそうとしていた。
 覗かれていることに気付いた、ユカは絵美にそのこぶを見せる。
 それは、左目の潰れた猫の顔であった。
 帰宅後、絵美の家にユカが訪ねてくる。
 頬のこぶが熱いので、絵美に見て欲しいとユカは頼み込む。
 いやがる絵美にユカがこぶを見せると、こぶの猫が絵美の指に噛みつく。
 とっさにユカはナイフでこぶを切り落とし、猫の顔をしたこぶはどこかに行ってしまう。
 ユカのこぶは治り、こぶの原因は一か月前に猫を殺した祟りだろうと絵美に話す。
 その夜、絵美は、こぶに触れた手の甲から、猫の顔のできものが出てくる。
 絵美はこのこぶを除こうといろいろと試すが、甲斐なく身体中に広がっていく…」

 人面疽ならぬ、猫面疽の話です。(「人面疽」は古賀新一先生の好きなテーマの一つですよね。)
 内容的には、「こぶ」と形容するよりも「できもの」と言った方がしっくりきますが、タイトルに則りました。
 ラストの急転直下なハッピー・エンドが凄いです…。
 この作品、「いもむし」(ひばり書房黒枠)収録の表題作にて、「虫少女」とドッキングさせて、一つの作品にまとめられております。(内容はまとまっておりませんが…。)

2016年5月1日 ページ作成・執筆
2017年12月31日 加筆訂正

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