「恐怖の快楽 1999年5月号」(1999年5月1日発行)

 収録作品

・黒木理加「お前が悪いんだよ!」
・南やちよ「一人暮らし」
・野田るみ子「お習いに行くざますD」
・呪みちる「溶ける蠅女」
・おくたに桃「こぶ・たに・きつ・ねこ?」
・桜庭あさみ「夫婦の関係」
・かとう・えむ「しなきゃよかった」
・つるま里子「鬼になる」
・伊東倫智「孤独の影」
・山咲トオル「血の奇蹟」
・坐磨屋ミロ「胎児の夢・23」
・永矢洋子「ドロ沼」
・花堂元美「そんなあほな…」
・高塚Q「再生スル血」
・石井まさみ「盗癖」
・池田可嵐「恐怖天国」
・佐々木彩乃「恐怖のゆくえ」
・もりゆきこ「鍵のミステリー」
・和木はるか「恐怖の殺人鬼P」
・大川みゆき「痩せても腫れても」
・平山郁「恐怖カタログ」
・美島遥子「裸の王様」
・神田森莉「皆殺し学級崩壊」
・松下容子「薬子ちゃん」
・細谷知世「ダイエットが趣味の女」
・沙東彗「ヘベちゃん」
・安童千花「耐える女」
・庭りか「始まりの日」
・谷間夢路「結婚百怪談・23」

 個人的に、心に引っかかった作品。

・黒木理加「お前が悪いんだよ!」
「無職のDV男と付き合って、高校生で妊娠、結婚して出産するものの、相変わらずの暴力の嵐。
 そんな彼女を受け入れてくれる、平凡な男性のもとでようやく安息を掴んだかに見えたが…」
 ロリコン男の幼女への○○○描写がヤバいんじゃないか…。

・呪みちる「溶ける蠅女」
「小劇団の座長と恋仲だった女性。
 しかし、劇団が演じたオカルト劇がヒットしたため、座長はオカルトの虜となり、また、彼に近づいた女記者に彼を奪われてしまう。
 女性は、やけになり、座長のオカルト本を焼き捨て、痛飲する日々を送る。
 ある夜、女性が酔い潰れてゴミ捨て場で寝ていると、蠅が集まり、人間の姿となる。
 それは、彼女に解放されたという悪魔、ベルゼベブであった…」
 出来は、この本の中で傑出しています…が、レディコミを読むような層にどれだけアピールしたかは謎であります。
 キャッチコピーは「暗黒界の王子 今来たる」だそうです。

・高塚Q「再生スル血」
「夜道を歩く青年。
 彼は、ある女の子に「星の使者」だと言われ、彼女の父親を生き返らしてくれるよう頼まれる。
 女の子の父親は、カ○ワの母親の嫉妬により、毒殺されてしまったのだった。
 青年は、父親の死体に自分の注射して、一週間後に必ず自分に血を戻すように言う。
 青年は死に、その代わり、父親は生き返るが…」
 う〜ん、変な話です…。そこがいいんですけどね。

・もりゆきこ「鍵のミステリー」
「川島ちさとと大野仁は不倫の仲。
 しかし、何度もちさとの部屋が荒らされ、二人は部屋にビデオカメラを仕掛ける。
 そこには、見知らぬ、大柄の気持ちの悪い中年女が映っていた…」
 ベテランの貫禄を見せつけ、なかなか面白いです。
 しかも、謎の中年女は、部屋を荒らした時に、汚れたデカパンを残していくところが、味わい深いです。

・神田森莉「皆殺し学級崩壊」
「新米の女教師。
 受け持つ小学校のクラスは完全に学級崩壊。
「愛」を心に抱いて、児童に接するが、んなこたぁ、やつらの知ったこっちゃない。
 一番の癌であるプロブレム・チャイルドとモンスター・ペアレンツに陵辱され、女教師は彼氏とともに復讐に乗り出す…」
 素晴らしい。
 モンスター・ペアレンツの問題が深刻化する以前に、その最良の解決法を提示しております。
 すなわち、ブチ殺してしまえ、と。

 でも、何が凄いかって、この表紙の写真が凄過ぎる。
 金髪のモデル「キャティ」さんに、鉢巻・ダボシャツ・腹巻・ステテコという親父ルックをさせ、右手にワンカップ、左手に一升瓶、そして、口の端にスルメをくわえさせるという、空前絶後の表紙となっております。
 中のマンガが全て霞んでしまうほどの、破壊力…この表紙のせいで、呪みちる先生やもりゆきこ先生のマンガの内容をちっとも覚えておりませんでした。

平成27年2月8・9日 ページ作成・執筆

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