「漫画Q 1968年7月10日号」(第60号/80円)
個人的に、気になった作品
・近藤謙・作/島竜二・絵「セクシー怪獣シリーズ 妊娠怪虫ザーメンゴ」
「未婚女性の原因不明の妊娠が増加。
困った政府はタラ博士に原因を究明を依頼する。
タラ博士が処女懐妊した内東葉子の子宮をレントゲン顕微鏡で覗くと、奇怪な怪物が見える。
これは「ザーメンゴ」で、処女の体内に侵入し、卵子と結合して繁殖するミニミニ怪虫であった。
ザーメンゴには効く薬がなく、下口好男医師と赤井満子看護婦の二人をPTA光線でミクロ化して内東葉子の胎内に注入。
二人は子宮に到達し、ザーメンゴと戦うが…」
・歌川大雅「大江戸さいけ夢売り娘 ナメておくれヨ」
「江戸の盛り場に奇妙な美女が現れる。
彼女は太腿に水飴を塗りつけ、一番早く舐めとった者と一晩を過ごすと言う。
男どもは争って彼女の肌を舐めるが、その中に源八郎という若侍がいた。
源八郎は一刀流の達人で、江戸城に勤める身分。
彼は女には指一本触れたことがない堅物であったが、何故か、彼女の肌が舐めたくなる。
初めて舐める女の肌は甘露のようで、彼が感動に浸っていると、彼の体に奇妙な変化が起きる。
彼の体が熱くなり、夜の闇の中にあの女の足が幾つも蠢いているのが見える。
彼は夢中になってその足を舐めるが、それは夏草であった。
赤っ恥をかいた源八郎は女を憎み、その正体を暴こうとするのだが…」
・菅沼要・画/大岡哲郎・作「戦慄の心霊現象」
「永田松子(30歳)は売り出し中の霊媒師で、売りはエクトプラズムによる降霊(インチキだけど)。
未亡人の彼女は性欲が人一倍強く、世話係の男たちは彼女の相手を探すのに苦労する。
公開実験で成功をおさめ、仕事の依頼と共に彼女の男あさりも激しくなるが、ある日の降霊に彼女の夫の霊が現われ…」
「妊娠怪虫ザーメンゴ」はSF名画の名作「ミクロの決死圏」(未見)の影響を強く受けております。
でも、やっぱり、「セクシー怪獣」シリーズですので、脳梅毒入ってますが…。
「セクシー怪獣大暴れ」(太田出版/電子書籍あり)にて読むことができます。
「戦慄の心霊現象」はインチキ霊媒師を扱った珍しい作品なのではないでしょうか?
これも黒田みのる作品と同じく、原作は大岡哲郎という方で、初期のオカルト漫画に重要な役割を果たした人物なのかもしれません。
・備考
表紙、綴じ外れ。
2025年6月14・15日 ページ作成・執筆