菅原亘・絵/須藤彰男・原作「ねこののろい」(小学二年生8月号/1968年8月1日発行)

 収録作品

・赤塚不二夫「いじわるコンクール」
「金持ちのイヤミは、子分のチビ太、デカパン、ダヨーン、ハタ坊を引き連れ、海水浴客でにぎわうビーチを訪れる。
 イヤミはそこで「いじわるコンクール」をして、優勝者には賞金を出すと言う。
 チビ太以下、子分達はいじわるに精を出すのだが…」

・松山しげる「なぞなぞまんが」
「オバQの一行と、グズラと共に、山登り。
 トランプのばば抜きに負けて、Q太郎が炊事当番となる。
 その時、謎の老人が現れ、Q太郎に問題を出すが、ちっとも答えられない。
 老人はあきれて、円盤で立ち去るが、杖をうっかり忘れていた。
 Q太郎がその杖を持つと、あら不思議、どんななぞなぞでも解けるようになる…」

・菅原亘・絵/須藤彰男・原作「ねこののろい」
「さゆりは父親と二人暮らし。
 父親の帰りが遅い時は心細くて仕方がない。
 ある夜、父親がようやく戻ってきたが、その車のバンパーには血がびっしり付いていた。
 父親が言うには、帰宅途中、猫を轢いたとのことで、さゆりは不安を覚える。
 その時、一人の老婆がお手伝いに雇ってくれと頼みに来る。
 父親は渡りに船と老婆を雇い入れるが、さゆりはいい感じを持たない。
 その夜、さゆりには猫の泣き声が聞こえ、老婆の影が猫のように見える。
 翌日になってからも、犬嫌いの老婆の様子などから、不信感は拭えない。
 その夜、轢き殺された猫を夢に見て、さゆりは自分が猫にされると信じ込む…」

 それぞれ見所のある作品ばかりですが、謎の漫画家、菅原亘先生の作品が最も興味深いと思います。
 いい感じの「楳図かずおタッチ」(呼び捨て失礼!!)の絵ですが、独特の個性はきっちり表れており、単なる物真似で終わらないところは流石です。(なかなか文章では説明しづらいのですが…。)
 あと、この作品で面白いのは、「小学二年生」の付録ですので、ストロング・スタイルの怪奇マンガでありながら、なるべくマイルドに仕上げようとしていること。
 コマの外に、
「このよの中に、こわいものなんかありませんよ。」(へんしゅうぶ 木下記者)(p「52)
「なんでもねこのせいにするから、ばけねこに見えるのです。ほんとうはばけねこなどはいません。」(p53)
「これはまんがです。ほんとうにこんなことをしてはいけませんよ。」(p54)
 との注意書きがくどく書き込まれています。
 だったら、怪奇マンガなんかはなっから載せなければいいような気がしますが、やはり、需要があったということなのでしょう。
 結末も、今までの騒動は全て、少女の思い込みで済まして、ハッピーエンドです。
 まあ、十歳にもならない子供が読むものですから、そういう配慮は必要だと思います。
 でも、「雑誌・付録」のリストを見てもらえればわかるように、学年を追う毎に、作品がヘビーさを増している印象があります。
 そうして、結局、読者の子供達は否応なくトラウマを植え付けられていくのでありました…。

2017年8月20日 ページ作成・執筆

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