松本洋子・上野すばる・他「なかよしホラー特集号 恐怖の館」(なかよし別冊まんが/1995年)

 収録作品

・松本洋子「首は笑う」
「四人の少女(奈央、美佐子、のぞみ、優子)が山にハイキングに来る。
 その中の優子は、自分が勝手に押しかけて来たくせに、不平たらたら。
 当然、他の三人には距離を置かれ、逆恨みした優子は、野仏の首を取って、三人を脅かす。
 急な雷雨に襲われ、四人は近くの山小屋に避難するのだが…」

・岡本慶子「呪われた願い」
「みどりは、露店で、神秘的なデザインの箱に目を引かれる。
 露天商の老人が言うには、その箱に願いをかけると、どんな願いでも叶うが、その代わりに、他の何かを失ったり、周囲に不幸をもたらすらしい。
 みどりは単なるアクセサリー入れとして使う予定であったものの、ふと、素敵な恋人ができるよう箱に祈ってしまう。
 すると、親友の真子と恋人同士だった高橋が突然、真子を捨て、みどりに告白する。
 願いの叶ったみどりであったが、そのせいで、いじめを受けるようになり…」

・片山京「なにかようかい?」
 妖怪が主人公の、ユル〜い四コマギャグ漫画。

・小坂理絵「家族の食卓」
「学校の宿題は「家族の食卓」の絵を描くこと。
 優越感でいっぱいのるりは、隣席の千佐の家に、料理をしてあげると押しかける。
 千佐の家は、父親はDV野郎で、母親は料理が下手らしい。
 るりは、千佐が止めるのも聞かず、台所へと入るのだが…」

・大坪愛生「幽霊列車(ゴーストトレイン)」
「奥本真世は、気が付くと、列車の中にいた。
 列車は、コスモスの花畑の中をずっと進んでいく。
 さっきまで体育の授業を受けていたのに、と訝っていると、同じ車両に、知り合いの上田という女生徒がいた。
 彼女は入院していたはずなのだが…」

・ゆにわきざし「丑の刻まいり」
「想いを寄せている男性を、別の女性に奪われた女。
 彼女は丑の刻まいりをして、藁人形で呪いをかけようとする。
 ただし、その姿を誰かに見られると、呪いは自分に返って来るため、細心の注意を払うのだが…」

・上野すばる「―学校怪談― あかずの教室」
「公子、さとみ、織江の三人は、旧校舎にある「あかずの教室」を訪れる。
 そこは美術室で、自殺した美術教師の怨念が宿っていると噂されていた。
 中には多くの石膏像があり、三人はふといた拍子に、女性の石膏像の腕を壊してしまう。
 以来、三人は次々とトラブルに見舞われる…」

 ベテランの松本洋子先生の「首は笑う」がベストでありましょう。
 「にんじん大好き」ほどの破壊力はありませんが、それでも、かなり衝撃的なラストです。
 他の作品もなかなかのトラウマ度、かつ、バラエティ豊かで、読み応えがあります。

2020年5月25日 ページ作成・執筆

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