高階良子「赤い沼」(なかよし11月号付録/1976年11月1日発行)
「山奥の村。
籠女(かごめ)は、赤ん坊の時、鬼子母神を祀る神社の境内に捨てられ、おタネという老女によって育てられる。
籠女は何をやらしてもグズで、村の子供達からは爪はじきにされる。
老女は、悲しむ籠女に、彼女は鬼子母神様からの授かりものだが、鬼子母神様のつくりそこねた「はんかけ」だと話す。
籠女は、子供の頃から不思議な夢をよく見た。
その夢は、長い間、誰かが閉じ込められていると、木の扉の向こうから見知らぬ青年が彼女を解放するためにやって来るという内容であった。
籠女は、その夢で閉じ込められているのは、失われたあと半分の自分だと信じる。
そして、月日は流れ、おタネは死に、籠女が年頃の少女になった時、村に野上勇という青年が訪れる。
彼の目的は、「かごめかごめ」のわらべ唄の研究のためであり、この村はその発祥地らしい。
彼を一目見て、籠女は夢の中の青年と知る。
勇も籠女に興味を抱き、二人は神社で再会する。
籠女がおタネから受け継いだ知識によって、わらべ歌の歌詞に秘められた謎が次々と明らかとなる。
最終仕上げとして、彼らは赤沼の中央にある鬼子母神の祠にボートで渡る。
彼らが祠の扉を開けた時、解き放たれたものとは…?
赤沼の水が再び赤く染まる時、二百年前の惨劇が繰り返される…」
わらべ歌や鬼子母神といった伝承をテーマに据えた「和風オカルト・ホラー」の名作です。
なかよしコミックスに収録されております。
2017年7月24・27日 ページ作成・執筆