浜慎二「恐怖! たたりの黒猫」(1983年7月15日第1刷発行)
「小学五年生の瀬戸山昌代の父親は、ある幼稚園の新しい園長。
瀬戸山夫妻は入園式に関する用事で帰宅する際、黒猫を轢いてしまう。
下半身を轢き潰されて、瀕死の黒猫に、猫嫌いの瀬戸山婦人は夫を急かして、その場を立ち去る。
その後、瀕死の黒猫に、その仔猫が寄り添い、黒猫が死んだ後も鳴き続けるのだった。
このことがあってから、家の中に猫の足跡が付いていたり、入園式の日に装飾が爪で裂かれたようにボロボロにされるという、おかしなことがあったものの、一家は平穏な日々を取り戻す。
しかし、昌代が友人から仔猫を貰って帰る時、バス亭で奇妙な園児に出会う。
慌ててバスに乗って帰宅すると、家の門前で同じ園児が昌代を待っていた。
園児の顔は猫のように変化し、昌代の悲鳴を聞いて、お手伝いさんが駆けつけるが、そこには誰もいなかった。
その日から、家でおかしなことが起こるようになる…」
化け猫をテーマにした佳作です。
この作品を読むと、浜慎二先生は子供の描写が巧みだとつくづく感じ入ります。
平成27年3月4日 ページ作成・執筆