森由岐子「O型血液スチュワーデス殺人事件」(1985年7月15日第1刷発行)
「スチュワーデスだった姉、大町吹雪がフライトの後、突如の失踪。
唯一の肉親である妹の大町姫美は姉の行方をずっと捜していた。
失踪から一年後の夜、姫美は、姉が気味の悪い沼の中で手招きしているという夢を見る。
その沼に見覚えがあり、姫美がそこへ向かうと、水面に浮かぶポリ袋を発見。
ポリ袋には頭蓋骨が包まれており、復顔したところ、その頭蓋骨は姉のものであった。
姫美は、姉を殺した犯人は、姉の勤めていた航空会社(JAPAN航空)にいると考え、猛勉強の末、スチュワーデスとして入社する。
姫美は早速、訓練の合間を見て、情報収集に努めたところ、姉は、鮫島伸という副操縦士と付き合っていたことが判明。
二人はかなり親しかったが、鮫島は、重役の娘であるパーサーの天城まり子に乗り換え、大町吹雪を捨てたのであった。
姫美は鮫島伸を犯人と睨み、事あるごとに厳しく告発する。
だが、如何せん、証拠がない。
更に、彼女が犯人捜しをするようになって以来、彼女は、謎の仮面の男に幾度も命を狙われることとなる。
その一方で、彼女は、教官の郷一矢と愛を深めていく。
姫美の姉を殺した犯人は誰なのだろうか…?」
「血液型恐怖シリーズ」第三弾はミステリーです。
大きな破綻はないものの、夏場だと言うのに、証拠の決め手となる「※※※」をそのままにしていたのには首をかしげてしまいます。
でも、冒頭の電動ノコギリによる解体や、腐乱死体の描写等、ショック・シーンはしっかりしており、好感が持てます。
また、作中に「日本航空350便墜落事故」(1982年2月9日)を思わせる描写もあって、時代を感じました。
1980年代前半の有名なテレビドラマ「スチュワーデス物語」の影響があるのかもしれませんが、私には専門外です。
2019年1月28日 ページ作成・執筆