古賀新一「恐怖!血の館」(1982年4月15日第1刷発行)

「フランスのシャンパーニュ地方。
 孤児のレミーはクロード老人に育てられ、心優しい娘に育っていた。
 両親の死については何もわからず、八歳の時の、ブドウ畑に囲まれた館の記憶のみ。
 レミーはその館を行きたいと願うも、クロードは断固として反対する。
 そんなある日、過労が祟り、クロードは倒れ、瀕死となる。
 今わの際、クロードは小さな酒樽を二つと埋葬してくれるよう言い残し、息絶える。
 一人ぼっちになったレミーがとぼとぼ雨の中を歩いていると、通りがかりの女性から車に乗るよう勧められる。
 車の向かった先は、レミーの記憶にある館であった。
 女性によると、この館はぶどう酒づくりで名を上げたシノン家のものだという。  だが、召使いに扮した黒魔術師のバローズにはめられ、シノン家の主人は魔女裁判にかけられ、火刑となる。
 以来、三百年にわたり、この館にはバローズが生き続けているのであった。
 レミーはこの館で様々な怪異に襲われる…。
 そこで、彼女の両親らしい人物と再会するのだが…」

 古賀新一先生お得意の「オカルト」漫画です。
 と言うことは、すなわち「ごった煮」なのであります。
 「エクソシスト」は当然として、「ヘルハウス」の要素もあります。(ハンス・ベルメールも一コマあったりします。)
 ストーリーは若干、混乱しており、バローズの正体が明らかになるシーンは「あたしゃ、カックン」です。
 でも、まあ、古賀新一先生独特のドス黒く、脈絡のないショック描写を味わうには、最適の一冊ではないでしょうか?

 あと、pp54〜57にかけて、浜慎二先生の筆が入ったと思しき部分があります。
 黒猫といい、人影といい、めっちゃ面影がありまして、もしかしたら、旧知の間柄の浜慎二先生がアシスタントしていたとか?

2018年3月26日 ページ作成・執筆

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