野原正光「闇に光る青い手」(1981年2月15日第1刷発行)
「たった二人だけの姉妹、月丘加代と千恵。
郷土史研究所に勤めていた姉、加代は玄幽境の探索に出かけたまま、消息を絶つ。
研究所では玄幽境へ二度目の捜索隊が組織されるが、千恵の同行は拒否される。
千恵は部屋に隠された古文書で霊獣・我修羅(がしゅら)のことを知り、捜索隊の後にこっそりついて行くことを決意。
千恵のおじである教授率いる捜索隊は、若き研究員の達也と、財宝目当ての池下の三人。
三人は人跡未踏の大樹海の奥深くにある玄幽境へ向かい、途中で千恵も合流する。
だが、教授と池下が川で事故に遭い、千恵と達也が川を下ると、谷底に村を発見する。
一行は老人とその孫の三太に助けられるが、村の指導者の霊媒師の老婆をはじめ、村人は一様に敵意を隠そうとしない。
千恵は姉がこの村を訪ねたことを知り、村を散策していると、竹藪の中に和服の美しい女性を目にする。
その夜、財宝を探しに出た池下が、血肉のついた服の切れ端を残し、行方不明になる。
村から出て行こうと教授は提案するが、千恵は姉を探し出すまで村を出て行かないと断固拒否。
その千恵の前に、姉の姿が現れると、再び消えてしまう。
翌日も姉の行方を探すものの、成果は全くなし。
夜更け、彼らの前に、霊獣・我修羅が現れ、千恵達をかばった教授は食い殺される。
千恵達は村から脱出しようとするが、千恵達を皆殺しにしようと、霊媒師の老婆と竹藪で見かけた女性は画策していた。
千恵の姉の行方とは…?
そして、霊獣・我修羅の正体とは…?」
クセのある絵(頭でっかち&内股気味(注1))で「正直、どうかな?」と思って読み始めましたが、面白かったです。
秘境の村を舞台に行方不明の姉を探すミステリー…なのですが、突如、ラスト40ページに渡って、霊獣・我修羅と姉の霊魂とのサイキックかつコズミックな戦闘が繰り広げられており、大きな見どころになってます。(永井豪先生等のマンガの影響が多大かもしれません。)
知名度は高くありませんが、レモンコミックスを代表する良作の一つと思います。
・注1
キャラが内股気味と言えば、望月みさお先生であります。
詳しくお知りになりたい方は、唐沢俊一氏・監修「まんがの逆襲」(福武書店)のp207を参照のこと。
2017年6月7日 ページ作成・執筆