古賀新一「首のない女」(1980年6月15日第1刷・1981年7月15日第3刷発行)

 収録作品

・「首のない女」
「下校途中、さゆりは黒マントとフードに身を包んだ女に後をつけられる。
 女性の身体からは何故か、時計の音が鳴り響いていた。
 人の気配のない路地で、女はさゆりに襲いかかり、顔をナイフで幾度も傷つける。
 額に傷痕の残った、さゆりは女への復讐を決意。
 ある夜、窓外に時計の音を聞きつけ、さおりが外を覗くと、例の女の後ろ姿があった。
 さゆりが後をつけると、奥まったところにある洋館に辿り着く。
 そこには、一人暮らしの老人が時計に囲まれて、住んでいた。
 老人は、時計に囲まれて暮らしており、まるで時計を生きているかのように接する。
 時計の案内をしてもらう途中、さゆりは彼女を襲った女の写真を目にする。
 彼女は老人の孫娘、魔也で、既に交通事故で亡くなっていた。
 だが、魔也の死を受け入れることができなかった老人は、彼女の死体を時計仕掛けに改造する。
 老人は時計仕掛けの魔也と楽しい日々を送るが、いつしか魔也は自らの意志で動くようになり、遂には老人を殺し、再び、さゆりに刃を向ける。
 魔也の秘密とは…?」
 古賀新一版「人間時計」なのでありましょうか。
 フクロウ時計のように、時を刻む音に合わせて、両目が左右に動くという仕掛けは気持ち悪いかも…。
 先日、ネットで見た「左の目と右の目を別々に動かせる女性(美人!)」の映像を思い出しました。(あの映像には、おったまげた〜。)

・「呪いの人形」
「小学五年生の美由紀の部屋は人形だらけ。
 中でも、アグリという名の人形が大好きで、学校へ行く時も一緒であった。
 そのせいか、美由紀には友達もなく、孤立する。
 ある日、アグリのお陰で、美由紀は災難を逃れ、一躍、クラスの人気者になる。
 それがきっかけで、彼女にはボーイフレンドができ、アグリをかまわなくなる。
 父親は美由紀の変化を喜び、アグリを窓から捨ててしまうのだが…」
 絵柄からして、1970年代中頃に描かれたものなのではないでしょうか?
 ストロング・スタイルな短編で、人形ホラーの最高峰「ドールズ」を彷彿させる描写の数々に古賀新一先生の才気を感じます。

2018年3月20日 ページ作成・執筆

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