広永マキ「顔のない死神」
(1981年8月15日第一刷・1982年7月15日第二刷発行)
「孤児院上がりの青年、マイク・ブランドン(18歳)。
ある日、彼は、自分が故・メイヤー男爵と、その愛人、メアリー・ブランドンとの間にできた子供であることを知らされる。
十三年前、彼と母親が山道を歩いていた時、馬車が二人に突っ込み、母親は死亡、彼は名前以外は記憶喪失となっていたのであった。
彼は、メイヤー家の主治医、ドクター・カーマイケルによって、W地方にあるお邸に案内される。
ドクターによると、メイヤー未亡人は、一人息子のジェラードを亡くして以来、頭がおかしくなっているらしい。
彼女は、ジェラードが生きていると思い込み、そのように振る舞っているのであった。
マイクはメイヤー家の者かどうか判断するために、邸に滞在することとなる。
しかし、彼に対して、メイヤー未亡人とその使用人、ギルドの態度は冷たい。
更に、マイクは、二階のジェラードの部屋で、死んだはずのジェラードの後ろ姿を目にする。
ただし、声は耳にしたものの、顔を見たわけではない。
それ以来、マイクは度々、危険な目にあうようになる。
そんな時、マイクの孤児院からの恋人、ローザが、邸に女中として雇われる。
マイクは、ローザの協力を得て、ジェラードにもう一度、会おうとする。
だが、それはメイヤー未亡人の仕掛けた罠であった…」
読んでいるうちに薄々見当が付きますが、ヒッチコックの「サイコ」です。
ただ、それだけでは物足りないと考えたのか、ラスト、森由岐子先生の「許されぬ愛 ミイラと眠る夜」(ヒバリ・ヒット・コミックス)のような展開になります。
この展開があまりに唐突で、ここをどう感じるかで作品の評価が違ってくるのではないでしょうか?
個人的には、「ゾンビ」マンガとして評価はできるものの、ビミョ〜です。
2020年3月18日 ページ作成・執筆