日野日出志「恐怖!四次元の町」(1978年10月15日第1刷発行)

「沢木健太は、町中の人間が溶けて、霧になる夢を見る。
 目覚めると、両親の姿はなく、町は深い霧に包まれていた。
 町には人の気配がなく、テレビ、ラジオ、電話の全てが通じない。
 そのうち、町中の人間が消えてしまったことが明らかになる。
 健太以外に町にいるのは、健太の兄で、ガキ大将の武。
 隣に住む武の幼馴染、花田秀子。
 武の子分で、図体ばかり大きくてトンマな大山力也。
 クラス委員長の坊念万作。
 近所の女の子、チャコ。
 取り残された六人を様々な危機が襲う。
 野犬の群れ、大火災、飢餓…これらの危機を少年達は自力で乗り越えていく。
 ある時、野犬に襲われて瀕死の同級生に出会ったことで、万作はあることに気付く。
 それは、町から人が消えたわけでなく、自分達が別次元に存在する町に来てしまったということであった。
 いつか元の世界に帰るために、トラックで必要な資材を集め、彼らは、公園の中心にある、堀に囲まれた台地に砦を築く…」

 1977年頃に「少年マガジン」に連載された「サブの町」を単行本化したものと思います。(まだちゃんと確認取ってません…。)
 日野日出志版「サバイバル」(というより「少年の町ZF」?)、かなり面白いです。
 主人公達が少年漫画風に「爽やか」、かつ、グロ描写も他の作品と較べたら控えめですが、少年漫画のツボはしっかり押さえており、読ませます。
 また、読者サービスのためか、お色気シーン(多分、雑誌の方ではカラーページ)があったりしますが、この裸体の「ぎこちなさ」がいいなあ〜。
 やや入手困難な単行本ですが、タイトルや作者を忘れても、内容をぼんやり覚えている人は多いのではないんでしょうか。
 復刻する価値はあると思います。

・備考
 カバー痛み。表紙の下に小欠損あり。

2017年5月1日 ページ作成・執筆

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