鬼城寺健「スリラー館に生首が!」(1986年1月15日第1刷発行)
「夏休み、高根町にやって来たお化け屋敷は大人でも怖いと大盛況。
中学生のハルミは友人達と連れ立って、何度もお化け屋敷に足を運ぶ。
切符売り場のお婆さんと仲良くなり、顔パスしてもらえるようになる。
お化け屋敷を見たいとせがむ妹のユカを連れて、再度、お化け屋敷に入るが、その時、異変に気付く。
お化け屋敷の人形達が客を襲っては、その死肉を喰らっていたのだ。
ハルミ達は人形達に追い詰められ、出口にあるミラーハウスに逃げ込むのだが、ハルミ達の運命は如何に…?
そして、お化け屋敷を一人さまよう、防空頭巾をかぶった幼女の正体とは…?」
内容としては「お化け屋敷」が異世界とつながっているというもので、アイデア自体はなかなかいいと思います。
ですが、そこに、ホラー映画の要素をメッタヤタラにぶち込んで、「闇鍋」ライクな作品に仕上がっているのが何とも…。(個人的には、大喜びしております。)
推測ですが、「デビルズ・ゾーン」(aka 「ツーリスト・トラップ」/米/1978年)の影響が濃いのではないでしょうか?
お化け屋敷の人形がケラケラ笑う描写や、ポルターガイスト現象で鉄パイプが飛んできて、串刺しになる描写は、あの映画から「いただいた」ものと思います。(注1)
あと、このマンガ、後半が「ゾンビ」マンガになるのですが、この顔ドロドロ・ゾンビは「ナイトメア・シティ」(注2)ではないか?…とも考えております。(これは私の勘違いかもしれません。)
ともあれ、鬼城寺健先生のホラー映画に対する嗜好が渋いことが窺える作品なのであります。(相変わらずテキト〜言ってます。)
・注1
チャック・コナーズの怪演で有名なホラー映画ですが、すっかり内容を忘れておりました。
仕方がないので、YouTubeで確認したことを、一言お断りしておきます。
まだまだ修行が足りませんね。
・注2
顔だけ腐乱したゾンビが全力疾走し、マシンガンを乱射することで、(極々々一部で)有名なイタリアのゾンビ映画です。
2016年7月6日 ページ作成・執筆