好美のぼる「呪いの首飾り」(1981年7月15日第1刷・1984年12月15日第7刷発行)

「学園一の美人と言われる津田美子はこのところ、憂鬱。
 と言うのも、彼女の知人が連続して、災難に見舞われたからであった。
 秀才の春川通子(みちこ)は何者かに頭皮を剥ぎ取られたショックから廃人となり、スポーツ万能の矢吹安子は足の肉を削ぎ取られ、感染症により重体。
 また、美子を大変可愛がってくれた、安田先生は突如発狂してしまう。
 そんなブルーな時、友人のポン子が、緑川アキを紹介したいとしつこく絡んでくる。
 緑川アキは最近、転校してきて、とてもできると評判の少女であった。
 しかし、美子は友達になりたいという申し出を受ける気分にはとてもなれない。
 更に、美子の周囲では奇怪な出来事が頻発し、度重なる心労により寝込んでしまう。
 臥せた美子のもとに、ポン子がアキの勧める薬草を持ってきて、それを噛んだだけで、美子は劇的に回復。
 これをきっかけに、美子はアキと友達になり、中に自分の爪を入れた首飾りを交換する。
 だが、実は、アキとポン子は、呪術師の老婆に仕え、美子に呪いをかけようと画策していた…」

 「相手に呪いをかけて、才能や美貌を奪おうとする」物語なのですが、呪術師のババアがまず凶悪。(鶏の頭を丸かじりしております。)
 そして、荒唐無稽極まりない、呪術の数々。
 下着姿で一晩中、木の上に登っていたり、沼に浸かって、腐った魚をくわえていたり、理解不能なものばかりです。
 ただし、荒唐無稽なほど、好美のぼる先生の筆が冴えるのも事実!!
 生理的に不快な描写はレモン・コミックスの作品の中では最もパワフルではないでしょうか?
 個人的に、最もイヤだったシーンはゴキブリを生きたまま、食べるシーンです。(閲覧注意!! 「ザ・ネスト」で、片足を骨折している老婆が襲われるシーンを思い出しました。)

2018年7月19日 ページ作成・執筆

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