大石まどか「たたりの古井戸」(1981年8月15日第1刷・1985年7月15日第8刷発行)
「S市で岸建設を最大手にまで発展させ、市会議員にまで当選した、岸勇司。
彼は選挙で公約に掲げたサンフラワーシティの建造に邁進するが、たった一つ、障害があった。
建設予定地の一角に邸があり、そこに住む老婆と孫娘が立ち退きを拒否していたのである。
邸は歴史のあるものではあったが、身体の弱い孫娘は保養地で療養生活を送っており、実質的に屋敷には老婆が一人だけ。
そこで、岸勇司は老婆に頼み込み、遂に、立ち退きを了承させる。
だが、孫娘の詩子は療養所でその知らせを聞き、大きなショックを受ける。
何故なら、屋敷の庭には古い井戸があり、その井戸を覗き込むと、亡き母親の顔が見えると詩子は信じていたからであった。
詩子はそのまま療養地を脱け出し、屋敷へと一人、戻る。
そこで、様子を見に来た岸勇司と遭遇、手ひどい扱いを受け、詩子は絶望に沈む。
後日、屋敷は解体されるが、井戸を潰す段になって、老職人が「井戸まつり」をするよう、かたくなに主張。
その主張を岸勇司は迷信と退け、ブルドーザーで井戸を潰してしまう。
しかし、以来、岸勇司とその家族の周りでは怪異が続出する。
特に、怪異は、次女の沙知子に集中しているようなのだが…
「井戸まつり」をしなかった祟りなのであろうか…?」
貸本時代からのベテラン、大石まどか先生がレモンコミックスに残した作品です。
レモンコミックスとしては初期に入る作品ですので、記憶にある方も多いのではないのでしょうか?
ベテランらしく、ストーリーも絵も水準が高く、安心して読めるのはありがたいことです。
ですが、ところどころ、人物の頭が身体と比して巨大になっていて、そこばかりが印象に残ってしまうのです。
折角、個人的に好みの内容なのに、これはイタ過ぎます…。
2018年3月5日 ページ作成・執筆