好美のぼる「あっ!生命線が切れている」(1984年7月15日第1刷発行)
「井上亜矢と本田美知留は親友同士。
ある日、下校途中、二人は、占い師の老婆に無料で手相を見てもらう。
占い師にはどこか思わせぶりなところがあり、二人はもう一度、手相を見てもらいに行く。
二人が本当に知りたいことは、野口祐二と恋仲になれるかどうかであった。
占い師の老婆は詳しく占うために、美知留には祐二の手形と彼女の写真と手形を、亜矢には祐二の写真と彼女の写真と手形を持ってくるよう言う。
こうして、三人の写真と手形を手に入れた老婆は、墓場に赴き、墓石に三人の手形と写真を貼り付け、呪いをかける。
呪術により、手相を変えられた三人は、人が変わったように奇怪な振る舞いに及ぶのだが…。
占い師の老婆の思惑とは…?
何故、亜矢、美知留、祐二の三人は老婆に恨まれているのだろうか…?」
「怪奇!手相コミック」第一弾の本作は、好美のぼる先生の後期の代表作でありましょう。
あまりに奇想天外な(言い換えると、突っ込みどころだらけの)内容は「怪作」の名をほしいままにして、唐沢俊一氏に復刻までされております。
物語は「手相を操る呪術を用いての復讐譚」で、発想は非常に奇抜かつ斬新!! 料理のしようによっては、いくらでも面白くなるはずです。
でも、そこは好美のぼる先生、へそから気の抜けまくる「へっぽこ」な展開&描写で、怪奇マンガからギャグ漫画へものの見事に横滑りしちゃってます。
それだけならば、凡百のフヌケな怪奇マンガと一緒なのですが、この作品は凄まじく「勢い」があって、この怒涛の展開はやはり、唯一無二です。
細かいところをウダウダ取り上げても仕方がないので、興味を持たれた方は是非一度、読んでみて下さい。(復刻もあるので、さほど、読むのは困難ではありません。)
2018年7月22日 ページ作成・執筆