岡崎優「呪いの花嫁」(1980年8月15日第1刷・1984年12月15日第10刷発行)

「黒沢真由美は絵画学校に通う娘さん。
 ある冬の日、彼女は公園で絵を描く青年に出会う。
 彼は、非常に内向的な絵を描くことで知られる汐見広志であった。
 彼のアトリエに案内された真由美は、広志から花嫁を描いた絵をもらう。
 絵に描かれた女性は、広志の恋人であり、結婚直前に交通事故死していた。
 真由美は絵を家に持ち帰るが、真由美の父は絵を見て、顔色を変える。
 一年前、この女性は、真由美の父が院長を勤める病院で亡くなっていた。
 更に、彼は、汐見広志の両親の死にも関係していた。
 昔、医者の卵だった黒沢は、恩師の広志の父から、妻への浮気を疑われ、片目にひどい火傷を負わされる。
 疑われた妻は自殺、汐見教授も黒沢に突き飛ばされた拍子に頭を打って、死亡。
 その光景をまだ幼かった広志は目の当たりにし、ずっと復讐の相手を探し続けていたのである。
 真由美が花嫁の絵を持ち帰って以降、家ではおかしなことが起きるようになる。
 どうも絵から花嫁が脱け出しているらしい。
 飼い犬は変死し、黒沢医師は手術の最中、手が自由を失うようになる。
 真由美は絵の女性の正体を知るために、汐見広志に会おうとするのだが…」

 楳図かずお先生の名作「絵から花嫁の女性が脱け出して、襲いかかってくる話」(タイトル失念)にインスパイアされたものでしょう。
 剣を持った花嫁の亡霊が徹底してアクティブだった楳図マンガに対して、こちらの作品では、テーマが「愛」ですので、ぶっちゃけ、地味です。
 また、呪うのは別に構わないのですが、手術中の医師の邪魔をして、無関係な患者が死亡しているのがいただけません。
 個人的には、今一つな印象を持ちました。
 ちなみに、このマンガで一番怖いのは、黒沢医師の御面相でしょう。常時、片目が見開いたままというのはコワい…。

2017年6月6日 ページ作成・執筆

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