好美のぼる「呪いのウロコ少女」(1980年8月15日第1刷・1981年7月15日第2刷発行)
「高杉夢子と原田博之は相思相愛の仲。
しかし、両親に反対され、駆け落ちを図るも、失敗し、夢子は謹慎の身となる。
夢子の親友、黒木リエは、二人に同情し、秘密の通信方法を考案し、二人の橋渡しを務める。
だが、リエは次第に博之を想うようになり、偽の言付をお互いに伝え、二人に破局をもたらそうと目論む。
それだけでは生ぬるいと、夢子に惚れている大谷健に協力を得て、魚嫌いの夢子の部屋に生魚を大量に放り込むという嫌がらせをする。
魚アレルギーと失恋のショックが重なり、夢子はウロコ少女へと変貌、苦しみ抜いた挙句、死んでしまう。
ライバルを排除し、リエは博之にアタックをかけるが、彼女を夢子の呪いが襲い始める…」
まず、単行本のジャケットが素晴らしい。シュールレアリステッィクな雰囲気があり、色使いもいいと思います。
また、内容のハジけ具合もそのスジでは高名。
恋のライバルが魚嫌いだからと言って、魚のバラバラ死体を部屋に投げ入れるアグレッシブさはなかなかお目にかかれるものではございません。
更には、鯉のぼりの中に入って、ヒロインを脅かすシーンもあり、ここまでくると、マヌケを通り越して、凄味さえも感じさせます。(やはり、インパクトがあるため、様々なところで紹介されております。)
そして、迎える衝撃のラストもさることながら、個人的には、ヒロインの高杉夢子が可愛く見えるシーンがあることが最も印象的でした。(個人の感想です。)
まあ、そう見えるのは、生魚責めにされている間だけで、後は凶悪なウロコ少女になってしまいますが…。
2018年7月18日 ページ作成・執筆