ゆめのよう「助けて!だれか」(1987年1月15日第1刷発行)
「白衣レイは夢園中学の二年生。
霊感が多少ある彼女は、超自然現象研究調査クラブに所属し、相棒の早目ユウとコンビを組んでいた。(注1)
ある日の下校途中、レイは全身から血を流している小学生を目にする。
後日、その小学生をまた見かけ、レイとユウは彼の後をつける。
すると、空き地で数人の同級生からウジ虫呼ばわりされ、いじめを受けていた。
レイはいじめをやめさせ、倉井一人という名の小学生の落とし物を家まで届けに行く。
だが、一人はレイにお礼の一言も言わず、部屋に閉じこもってしまう。
レイが倉井一人(かずと)について調べると、彼が悲惨な状況にあることがわかる。
学校では、クラスメート達だけでなく、担任の先生からもいじめを受けていた。
また、家では両親は仕事が忙しく、彼を構ってくれる人間は全くいない。
そんな彼の唯一の楽しみは、自作のコンピューター・ゲーム「レディ・ネーター」であった。
彼は「レディ・ネーター」の標的として、今まで自分をいじめてきた奴らをインプットし、ゲームの中で惨殺する。
すると、現実でもゲームと同様の殺人事件が起きる。
レイはコンピューターの中のキャラクターが現実で殺人プログラムを実行していることに気付く。
レイとユウは「レディ・ネーター」を止めようとするのだが…」
ゆめのよう先生については詳細は不明です。
絵柄から判断すると、「コロコロ」「ボンボン」といった子供向け漫画っぽい雰囲気です。
作品としては、「いじめられっ子の復讐」のテーマに「コンピューター」や「ターミネーター」の要素が盛り込まれ、当時を知る方にはちょっぴり懐かしいかも。
また、「いじめられっ子の復讐」と言えば、どれだけ派手に復讐するかが目玉なのでありますが、この作品は残酷描写にかなり力を入れております。
ただ、よくよく考えると、小学生相手にここまでするか…って感じで、やり口は陰惨かつヘビー。現在では問題視されるかもしれません。
後書きでは作者が「いじめ問題」について触れ、「やさしい心を持つことが人としてもっとも大事だと思うので、やさしいマンガを描きたくペンをにぎりました。」と述べております。
「やさしいマンガ」と断言するにキビシ〜ものがありますが、ラストは(読んでるうちに予想は付きますが)しんみりします。
・注1
それで「ユウ・レイ」コンビなんだそ〜な。
2017年5月27日 ページ作成・執筆