鬼城寺健「呪われたテニスクラブ」(1985年8月15日第1刷・1986年7月15日第2刷発行)

「双葉小学校六年のテニス部の女子7人は夏休みの合宿トレーニングのため、山原高原のペンションを訪れる。
 ペンションは素敵なところで、また、東都大テニス部の男子学生達と同じペンションで合宿することになる。
 しかし、オカルト好きな学生の山中が本に書いてあった呪文を唱えたために、平家の姫君の霊が復活。
 ペンションの近くには、平家の落人の墓が隠されていたのだ。
 姫君だけでなく、他の怨霊も続々と眠りから覚め、ペンションに宿泊する学生達をいけにえにすべく襲い始める。
 犠牲者が増える中、典子は超能力で怨霊と対決することとなる…」

 粗筋を読んでもらえれば、一目瞭然なのですが、「死霊のはらわた」「耳なし法一」ときて、ラストが「スキャナーズ」なのであります。
 そして、主人公達を襲うモンスターは「悪魔の植物人間」(英/1973年)(注1)なのではないか?…と推測しております。

 あと、私の主観もかなり入っておりますが、いばら美喜先生の「悪魔の招待状」の影響を強く感じます。
 気絶した女性に人工呼吸をしようとして、逆に空気を吹き込まれ、頭が爆発…なんて、いばら美喜先生のセンスだと思うのです。
 根拠は乏しいのですが、いばら美喜先生と鬼城寺健先生の間に、レーベルメイトとして多少の交流があった可能性もあるのではないでしょうか?
 青年誌をメインに活躍してきたお二人が、数十年後に再び子供向けの怪奇マンガを描くことになった時、互いに意見や情報を交換し合ったかも…と考えると、個人的には心温まりますね。
 その一方で、単行本のヘビーさからして、いばら美喜先生に対して、鬼城寺健先生が意地を見せようとしたのではないか?…とも考えております。
 以上、グダグダ述べましたが、全ては、アル中入ってるオヤジの脳内妄想でしかありませんので、賢明なる皆様方は決して鵜呑みにしないよう御注意くださいませ。より賢明な方の考証を待つばかりであります。

・注1
 ゲテモノ映画として昔から有名でして、映画の中で本物の「フリークス」が出ているのが大きな売りなのです。
 タイトルも最初は「Mutations」だったのに、後にそのものズバリの「Freakmaker」(何ちゅうタイトルじゃ…)に変えられました。
 入手しておりませんが、「ザ・フリークメーカー」のタイトルで日本版DVDも出ておりますので、興味のある方はどうぞ。
(ただ、20年近くも昔に一度だけビデオで観ましたが、あまり面白くなかった記憶があります。記憶に残っているのは、過激なダイエットから回復しなかったスチュワーデスだけだったりします。)
 どうでもいいことなのを承知で書いておきますと、ラストで、植物人間に殺されるキチガイ博士(ドナルド・プレザンス)の死体が、前・東京都知事の舛添要一(呼び捨て)にちょっぴり似ているかもしれませんね。

2016年7月2日 ページ作成・執筆

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