広永マキ「乙女座裏切りのワルツ」(1986年4月15日第1刷発行)

「高見沢星子は乙女座生まれの少女。
 ロマンチストの彼女には憧れの王子さまがいた。
 王子さまの名は大門春樹といい、彼女の家の近くに白亜の別荘に夏になるとやって来ていた。
 ある日、星子は彼と知り合うが、そこに姉、陽子が通りがかる。
 陽子は才色兼備で、男女共に人気者であった。
 だが、その内面は単に要領のいいエゴイストで、陽子は早速、春樹に手を伸ばす。
 更に、彼が資産家の息子と知ると、うまく取り入って、玉の輿に乗る気まんまん。
 星子はなすすべがないまま、嫉妬に苦しむが、春樹は突然、別れも告げず、別荘を去る。
 そして、一年後、別荘に再び春樹がやって来る。
 陽子はまた足しげく別荘に通うようになり、ある時、星子も同行する。
 春樹は星子の訪問を喜んでくれるが、いろいろと奇妙なことに気付く。
 まず、旅行に行っているとかで、使用人の純也の姿がない。
 また、純也の母のトキは姉妹を監視していて、露骨に姉妹を春樹から遠ざけようとしていた。
 それでも、陽子はすっかり婚約者気取りで、星子は、彼女は大門家にふさわしくないと憎悪を燃やす。
 そこで、姉には、彼に別の婚約者がいると嘘をつき、春樹には「秘密を知っている」と脅迫状を送る。
 単なるいじわるのつもりだったが、これが意外な結果なもたらし…」

 「星座恐怖シリーズ」四作目かつ最終作です。
 後書きには、次回は射手座と書かれてはおりますが、刊行されることはありませんでした。
 描き下ろし単行本はしんどくて、立風書房からドロップアウトしたのでは?と推測しております。(本当の所は私にはわかりません。)
 立風書房の後は、芳文社の怪奇マンガ雑誌「スペクター」で短編を掲載していくのですが、その紹介は、機会がありましたら、いたしましょう。

2021年11月21日 ページ作成・執筆

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