坂元勲「あけまして、ご愁傷様です」(2019年12月3日初版第1刷発行)

 収録作品

・「あけまして、ご愁傷様です」(「ちゃおデラックスホラー」2019年1月号増刊掲載)
「三井ちなみの住む町では、大晦日から元旦に移る瞬間に、必ず誰か死ぬ。
 その死に方も大量に血を吐いて、悶え死ぬというもので、原因は不明であった。
 元旦に姉を失った、ちなみは、同じく、父親を亡くした山本あかりという女子生徒と共に、死の原因を探る。
 亡くなった人に共通しているのは、初詣に地元の神社に出かけていることなのだが…」

・「ヨシコちゃん」(「ちゃおデラックスホラー」2018年9月号増刊掲載)
「カレンは休日には必ず祖母のもとに遊びに行く。
 ある時、彼女は祖母が若かった頃のアルバムを見せてもらう。
 アルバムには、亡くなった祖父の写真の他に、「ヨシコちゃん」という美しい少女の写真もあった。
 五十年前の祖母が中学生だった頃、ヨシコは、祖母の親友で、美人かつ成績もよく、クラスの人気者であった。
 だが、理科での実験の際に事故で顔に大怪我を負い、病室の窓から跳び下り自殺をしたという。
 そう過去を語る祖母に、カレンがかけた言葉は…」

・「彼女は毎日飛びおりる」(「ちゃおデラックスホラー」2019年9月号増刊掲載)
「転入して一か月、中村くるみは順調にクラスにとけ込み、楽しい日々を送っていた。
 彼女は席替えで窓際の一番後ろの席になった時、とんでもないことに気付く。
 毎日、同じ時間に校舎の屋上から女子生徒の幽霊が跳び下り自殺をしているのであった。
 しかも、それは二十年も続いていて、先生も生徒もすっかり慣れっこになっている。
 くるみはその女子生徒の自殺の理由が気になり始めるのだが…」

・「私が一番好きなセカイ」(「ちゃおデラックスホラー」2016年9月号増刊掲載)
「リエは、両親の不仲のせいで、最近、憂鬱。
 ある夜、彼女は、理想通りの生活、両親、自分を夢に見る。
 しかし、目が覚めると、相変わらずの不毛な現実があった。
 日曜日、親友と遊園地に行った時に、父親が見知らぬ母娘と一緒にいるのを目にして、彼女はショックを受ける。
 リエは、ずっと目覚めず、理想の世界にいたいと願うのだが…」

・「手相」(「ちゃお」2016年9月号増刊掲載)
「夏祭りの夜、天野美冬(中学一年生)は、友人達と一緒に、占い師の老婆に手相を視てもらう。
 老婆は、美冬の生命線は非常に短いことに驚き、美冬に身体に気を付け、車にも注意するよう警告する。
 美冬は気にしないよう努めるが、どこか体調がおかしいし、車にはねられそうにもなる。
 死の恐怖に怯え、彼女は手相を自分で変えようとするのだが…」

・「転校生のサチコさん」(「ちゃおデラックスホラー&ミステリー」2015年7月号増刊掲載)
「リオのクラスに転入してきた円サチコという美少女。
 とても明るく、すぐにクラスの人気者になるが、リオは彼女を一目見た時から、怖くて仕方がない。
 また、リオの友人で、自称「霊感少女」の岬チヅルは、バカにされていると思い、彼女に反感を覚える。
 ある時、チヅルがサチコの怖い話にケチをつけたことから、サチコが見つけたという「本当にヤバイところ」に行くこととなる。
 それは、学校の近くの廃墟にある、古ぼけたアパートの「202号室」であった。
 リオはその建物が怖くてならず、その部屋に入ろうとするチヅルとクラスメート達を止めようとするのだが…」

 アンソロジーではちょくちょく収録されておりましたが、ようやく、坂元勲先生の作品だけを収録した単行本が出ました。
 着想が面白く、また、「ギャグ」や「感動」に走らず、きっちり「ホラー」しているところに感動を覚えます。
 ベストは、禍々しさ炸裂の「転校生のサチコさん」でしょう。
 ホラー好きな人には、少女向け漫画と敬遠せずに、だまされたと思って、読んでいただきたいものです。(「だまされた〜」と思ったなら、勘弁してください。)

2020年5月31日 ページ作成・執筆

小学館・リストに戻る

メインページに戻る