まいた菜穂・他「死ぬほどこわい話」(2013年4月6日初版第1刷発行)

 収録作品

・まいた菜穂「踏切のさっちゃん」(「ちゃおデラックスホラー」2012年7月号増刊掲載)
「面倒見のよい伊吹、オシャレなマナ、お調子者の将紀、クールな優の四人はクラスの仲良し四人組。
 彼らは暇つぶしに「都市伝説試し」をしようと考える。
 それは、紙に人の絵を描き、死んだ人の名前を絵に書き込んでから、その絵をその人が死んだ場所で破ると、その人がこの世に現れるというものであった。
 その話を聞き、伊吹は毎日通る踏切にランドセルが供えてあるのを思い出す。
 ランドセルにはお守りが付けられており、お守りに「さっちゃん」と書き込まれていた。
 放課後、四人はその踏切に集まり、「さっちゃん」と書かれた人の絵を皆で破る。
 何も起こらず、解散するが、翌日、将紀が帰る途中でケガをしたと知らされる。
 彼は右腕を引きちぎらた状態で発見され、意識不明であった。
 次は優が両足の膝から下が引きちぎられる。
 伊吹は、なくなった体の部分と「さっちゃん」の紙の関連に気付くのだが…」

・おりとかほり「闇に愛された日常」(「ちゃおDXホラー」2012年11月号増刊掲載)
「仲谷朱莉は中堅アイドル。
 順調にアイドル活動を続けていたが、人気が出るにつれて、ヘンなファンが増え、いろいろとトラブルが増え始める。
 中でも一番の問題は黒い封筒に入ったファンレターであった。
 文章は思い込みの塊で、まさにストーカーの思考そのもの。
 更に、手紙は彼女のマンションにも直接届けられ、しかも、就寝中の彼女を盗撮した写真が入っていた。
 そこで、マネージャーの横山篤弘はホテルの部屋を手配する。
 しかし、彼女がライブから帰ると、部屋には猫の死体が転がし、カーテンには血で「オカエリ」と書かれてあった。
 とりあえず、彼女が事務所で待機していると、事務員の石川卓郎が息せき切って駆け込んでくる。
 彼は横山が何者かに切りつけられたと報告するのだが…。
 ストーカーの正体は…?」

・清家ミドリ「&ナイトメア」(「ちゃおDXホラー」2012年1月号増刊掲載)
「小学校6年3組の野口美姫は可愛いものが大好きな女の子。
 ある店のくまさんのぬいぐるみを見ていたことが縁で、彼女は1組の小田愛子という少女と仲良くなる。
 愛子と別れた後、彼女は蜂のようなぬいぐるみが落ちているのを見つけ、家に持ち帰る。
 その夜、彼女は不思議な夢を見る。
 拾った蜂のぬいぐるみが歩いていて、可愛さに痺れた彼女がそれの手を掴んで離さないと、他のぬいぐるみ達が蜂のぬいぐるみを助けようとして、彼女はもふもふ殴られるという夢であった。
 翌日、愛子に会うと、彼女は美姫が欲しがっていたくまのぬいぐるみに似せたぬいぐるみを手作りして、プレゼントしてくれる。
 その場に人のものを何でも欲しがるまゆという少女が現れ、美姫は喧嘩を避けるため、まゆにぬいぐるみをあげる。
 しかし、それにより愛子との友情にひびが入ってしまう。
 その夜、美姫は愛子と仲直りができるよう祈りながら、眠りに就く。
 彼女は再び『メルヘン・ドリーム』を見るのだが…」

・小室栄子「ひだり足の千夜ちゃん」(「ちゃおDXホラー」2012年11月号増刊掲載)
「鴨原茉央の幼なじみの千夜が交通事故で亡くなる。
 千夜はとてもおせっかいで、茉央のことにずっと束縛しており、茉央はこれから自由になると安堵する。
 だが、葬式の日以来、茉央の左膝に腫れ物のようなものができ、なかなか治らない。
 そのうちに、腫れ物は千夜の顔のようになり、彼女の声で話し始める。
 結局、一人では何もできない茉央は千夜の人面疽と二人三脚(?)で生きていくことに決め、全てが順調に行くようになる。
 しかし、茉央は千夜がどれだけ彼女を束縛しようとするのかを忘れていた…」

・のせじゅんこ「入れ替わりごっこ」(「ちゃおデラックスホラー」2012年7月号増刊掲載)
「マリコは平々凡々な少女。
 彼女の妹、エリは駆け出しの子役タレントで、家族も周囲も彼女ばかりをかわいがり、マリコは嫉妬する。
 ある夜、エリがマリコの部屋にやって来て、「魔法のコンパクト」をプレゼントする。
 これは撮影現場で偶然手に入れたもので、「これを持って強く願うと なりたい自分になれる」と言う。
 マリコはそれを手にし、エリになりたいと願いながら眠りに就くと、翌朝、彼女はエリになっていた。
 エリになったマリコはエリとして華やかな人生を送ろうとするのだが…」

・なぎり京「赤いへや 黒いへや」
「戸川咲希は男子顔負けの元気いっぱい少女。
 ある日、彼女が教室に迷い込んだ虫を退治しようとすると、一人の少年に止められる。
 少年の名は白鳥優で、病弱だがイケメンで繊細なため、女子からは「王子」と呼ばれ、人気が高かった。
 彼は咲希に用があり、絵のモデルになってくれるよう頼む。
 休日、咲希が優の家を訪ねると、「王子」の名に恥じない立派な洋館であった。
 しかし、咲希は邸に一歩足を踏み入れるなり、何かの気配を感じる。
 この館に潜むものとは…?」

 このアンソロジーでは、まいた菜穂先生「踏切のさっちゃん」、のせじゅんこ先生「入れ替わりごっこ」はうまくまとまっていて、出来が良いと思います。
 また、なぎり京先生「赤いへや 黒いへや」は超絶なゲテモノ・ホラーで、絵は少女向けでも、ひばり書房黒枠単行本・スピリッツを感じさせます。(ただし、わざわざ探し出して読むほどのものではないことを先に断っておきます。)
 にしても、定期的に「※※※※・ホラー」って出現しますよね〜。(※※※※のヒントはタイトルにもある「黒い」アレです。)
 こんなにたくさん、かつ、リアルに描いて、イヤにならなかったのでしょうか?

2024年9月3・4日 ページ作成・執筆

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