泉道亜紀「人間回収車C」(2015年10月6日初版第1刷発行)

 黒ずくめの男性が運転する、黒ずくめの軽トラック。
 この車は「不要な人間」を条件さえそろえば、二度と戻ってこれない場所へと回収するという。
 今日、この車に回収されるのは…?

・「回収リストO 小島瑠衣」(「ちゃおデラックス」2015年1月号)
「小島瑠衣(16歳)は引きこもりの女の子。
 彼女が引きこもるのは、親友だった真希からささいなことをきっかけにいじめられるようになったからであった。
 クラスメートも先生も助けてはくれず、彼女は二度と学校に行かないと決意する。
 だが、ある日、真希が瑠衣のマンションを訪ねてくる。
 母親には親友のふりをしていたが、瑠衣は部屋から連れ出すと、本性を現し、自分たちのいじめを人に話していないか聞いてくる。
 瑠衣が無視していると、真希はキレて、ちょうど通りがかった人間回収車に瑠衣を回収させる。
 瑠衣は無事に戻ってくるものの、流石に真希の仕打ちは許せない。
 回収車の運転手に助言され、瑠衣は真希に同じことをやり返すために登校するのだが…」

・「回収リストP 風見志保」(「ちゃおデラックス」2015年3月号)
「風見志保(中学二年生)は生徒から恐れられている暴力女。
 先日も彼女に説教しようとした愛美という女子生徒を階段から転落させて、骨折させていた。
 ある日、彼女が下校しようとすると、愛美の友人が彼女に文句を言ってくる。
 そこに人間回収車がやって来て、愛美の友人は志保を回収させる。
 だが、何故か志保は家に戻ることができた。
 運転手によると、彼女を心から必要としている誰かがいるらしい。
 母親からはネグレクトされ、父親とは十年以上会っていないので、家族ではない。
 だとすると、学校の誰かかもしれず、志保はその相手を捜すのだが…」

・「回収リストQ 小野優奈」(「ちゃおデラックス」2015年5月号)
「小野優奈(高校一年生)は根暗でペシミスティックな女の子。
 彼女はいつも一人だったが、ある日の体育の時間、クラス一の人気者の加藤彩が彼女に話しかけてくる。
 以来、彩は優奈のことを気にかけ、そのうちに二人は親友同士になる。
 ある日、優奈は彩に学級委員の浅田が好きなことを打ち明ける。
 彩は優奈と浅田の懸け橋になってくれて、三人で一緒に過ごすことが多くなる。
 しかし、優奈は明るく活動的な彩に引け目を覚えるようになり、浅田からつまらない女の子と思われているのではないかと思い悩む。
 そんな時、優奈は浅田と彩が楽しく二人だけで歩いているのを目撃する。
 絶望した優奈は以前、人間回収車の運転手からもらった人間回収券を取り出すと…」

・「回収リストR 青山澄玲」(「ちゃおデラックス」2015年7月号)
「青山澄玲(中学二年生)は夢を持たない少女。
 彼女にとって夢を掴むことができるのは才能のある人間だけで、不相応な夢を持つのは愚の骨頂であった。
 そのため、夢に向かって努力する人間がいると、彼女は妨害せずにはいられない。
 クラスで孤立していた彼女であったが、保健室の黒川先生だけは唯一、彼女の理解者であった。
 さて、今度の彼女の標的は杉田という女子生徒。
 彼女は女優志望で、演劇発表会で主役に選ばれていた。
 発表会当日、澄玲は杉田を学校の裏庭に呼び出し、小屋に閉じ込める。
 澄玲の思うようにことは運ぶが…」

・「回収リストS 和田和恵」(「ちゃおデラックス」ホラー&ミステリー2015年7月号増刊)
「高校生の和田和恵が意識を取り戻すと、我が家の前、しかも、黒塗りの軽トラの荷台にいた。
 運転手によると、彼女は一度回収されたものの、「心から必要とする人間」がいたので返品されたという。
 ただ、和恵の家は母子家庭で、母親との仲は険悪で、「心から必要とする人間」なのかどうかがわからない。
 それ以上に問題なのは、彼女の記憶は、学校の放課後、親友のまどか、付き合い始めた巧と一緒に帰るところまでしかなく、誰が彼女を回収させたのかがわからないことであった。
 そのために彼女は誰にもこのことを相談できない。
 その日、彼女が遅くに帰宅すると、居間に見知らぬ男がいることに気付く。
 彼は母親が再婚しようとしている相手で、和恵に対して好感情を抱いてなかった。
 和恵は母親が邪魔になった彼女を回収させたと考え、母親を人間回収車に回収させるのだが…」

・「見せかけっ娘」(「ちゃお」2012年1月号)
「後藤春華(高校一年生)は茶髪に岩をも砕く眼力でヤンキーとして恐れられていた。
 しかし、実際の所は、髪の毛は地毛、かつ、眼力は単に目つきが悪いだけの臆病な女の子であった。
 とは言うものの、やはり外見が外見だけに、彼女はいまだに友達がいないまま。
 悩んでいた時、彼女は超ポジティブな前園という男子生徒と出会う。
 彼に相談すると、彼は春華は怖がられているのではなく、可愛いから皆、恥ずかしくて声をかけられないと主張。
 彼の指導の下、可愛い女の子を演じてみるも、これはこれでイタ過ぎてヘコむ…。
 そんな時、高学年の男のヤンキーが彼女に放課後に喧嘩を申し込んでくる。
 恐怖に慄く彼女に前園はわざと負ければよいとアドバイスするが…」

・「エッセイ劇場 〜漫画制作現場の巻〜」
 泉道亜紀先生が漫画制作の流れを解説したエッセイ漫画。
 私はデジタル作画の知識がほとんどない人間なので、勉強になりました。

 「回収リストQ 小野優奈」の話が面白かったです。
 「人間回収券」をうまくストーリーに絡ませて、心温まる内容に仕上げております。(まあ、後付けの条件がちょっと多い気もしますが…。)

2024年9月24・25日 ページ作成・執筆

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