泉道亜紀「人間回収車G」(2019年7月6日初版第1刷発行)
黒ずくめの男性が運転する、黒ずくめの軽トラック。
この車は「不要な人間」を条件さえそろえば、二度と戻ってこれない場所へと回収するという。
今日、この車に回収されるのは…?
・「回収リスト36 黒須琴音」
「黒須琴音と朋子は親友同士。
朋子は少し気が弱いけど、温かい心の持ち主で、琴音は彼女のボディガードのようなものであった。
最近、朋子の周辺に見知らぬ青年が出没するようになる。
琴音は彼をストーカーだと思い、朋子から引き離そうとする。
そして、朋子の家には謎の手紙や盗聴器、ゴミを荒らされたりと様々な被害が出る。
琴音は人間回収車にストーカー男を回収してもらおうと考えるのだが…」
・「回収リスト37 堀越美雪」
「堀越美雪は売り出し中の高校生モデル。
彼女は知名度を上げるためには手段を選ばない。
人気が出ればファンが増え、そのファンの中には当然、気に入らないのがいるが、彼女はそんな類のファンには徹底して冷淡であった。
ある日、彼女がおデブなファンに冷たく接していると、見知らぬ老婆が彼に謝るよう迫ってくる。
美雪が老婆を突き飛ばすと、老婆は轢き逃げにあって死亡するが、美雪は素知らぬ顔でその場から逃げる。
翌日、モデル仲間と一緒にお茶をしていると、あのおデブなファンが通りがかる。
そこに人間回収車が通りがかり、彼女は彼にこれ以上付きまとうなら、回収させると怒鳴りつける。
だが、その彼が実際に行方不明になり…」
・「回収リスト38 江川みのる」
「江川みのるのクラスは皆、仲良し。
中でも彼女は人間回収車の話をネットで調べて話すのが楽しみであった。
ある日、彼女のクラスに黒柳麗華という少女が転入してくる。
彼女はとても美しく、クラスメートは彼女に夢中となる。
だが、女子の中には麗華に嫉妬する者が出て、一方の男子の間では彼女を巡って争いが持ち上がる。
更に、争いに合わせるように、人間回収車が現われて…」
・「回収リスト39 辻森美緒」
「辻森美緒は非常に正義感の強い少女。
ある晩、彼女は引ったくりの現場に遭遇し、引ったくりを捕まえようとする。
そこに人間回収車が通りがかり、彼女は引ったくりを回収してもらう。
金髪のイケメン運転手に褒められ、彼女は悪人を人間回収車に回収してもらおうと考える。
彼女は痴漢男、DV母親、万引き女子高生を次々と回収してもらうのだが…」
・「回収リスト40 古谷雅」
「古谷雅は学級委員長。
彼女は中学受験で失敗し、両親から見放されており、クラスの皆からの信頼をよりどころにしていた。
クラスの成績を双葉という女子生徒が下げていることを知り、雅は双葉に猛勉強を課す。
だが、なかなか思うようにいかず、雅の勉強方法はエスカレートしていき…」
・「闇々ガチャの言うとおり ハマり人・綾音の場合」(「ちゃおデラックス」2018年3月号)
「柳井綾音は何の取り柄もない、地味な少女。
高校に入学して二週間経つのに、いまだ友人もできない。
ある日の帰宅途中、彼女はある店の前で「闇々ガチャ」を目にする。
店長らしき女性に勧められ、ガチャを引くと、「ドリームミラー」というものが出てくる。
これを覗くと、24時間、美しくなれるという優れもので、彼女はこれを使って学校で注目を集める。
しかし、口下手なため、どうコミュニケーションを取ったらいいのかがわからない。
そこで再び闇々ガチャを引くと、「ドリームリップ」というものが出てくる。
これは人が喜ぶことを言えるようになるリップであった。
彼女はクラスの人気者になり、学校一のイケメンの池上先輩と付き合うこととなるのだが…」
この単行本は後味の良くない話ばかりのように思います。
特に、「江川みのる」の回はやり方が卑怯で(しかも、相手は未成年)、全く好感が持てません。
マッチポンプじゃん。
2025年1月13・18日 ページ作成・執筆