みづほ梨乃「ショコラの魔法〜creamy sugar〜」(2010年12月4日初版第1刷発行)

 森の中にあるチョコレート屋、ショコラ・ノワール。
 お客を出迎えてくれるのは美しいショコラティエの哀川ショコラと猫のココア。
 彼女の作るチョコレートはどんな願いでも叶えてくれる。
 ただし、その代償として大切なものを一つ、失うこととなるのだが…。

・「ピュアハートチョコレート ハートの純真」(「ちゃお」2010年2月号)
「高校(?)一年生の杉本市加は皆にヤンキー扱いされて、恐れられていた。
 だが、幼なじみの旬だけは普通に彼女に接し、世話を焼こうとする。
 彼女は本当は彼のことが好きであったが、意地っ張りな性格のため、どうしても反発してしまう。
 それに二年の大河内佳子が目を付ける。
 彼女は市加に失礼な態度を取られたことを根に持ち、旬に接近し、彼の心を奪う。
 市加はショックを受けるが、2月14日、全ては大河内佳子の企みだったことを知る。
 佳子はショコラ・ノワールに行ったらしく、市加も行ってみるが、バレンタイン・デーは店休日であった。
 市加は店頭で騒いで、哀川ショコラを呼び出し、佳子がチョコを買ったかどうかを尋ねる。
 佳子が異性を虜にするチョコレート『テンプテーション・ローズ』を買ったと聞き、市加は文句を言うのだが…」

・「ロシェ 二人のショコラティエ」(「ちゃお」2010年4月号)
「大竹のぶ子は勉強も運動もダメで、見た目も冴えず、人にバカにされてばっかり。
 そんな彼女を唯一相手にしてくれるのは桜之宮という男子で、彼女は彼に想いを寄せるも、告白してもダメだろうと諦めていた。
 ある日、彼女はショコラ・ノワールの存在を知り、哀川ショコラに桜之宮と釣り合う女性になりたいとお願いするも、ショコラから代償は高いと脅される。
 怖くなり、彼女は店を飛び出すが、森の中で不思議な少女と出会う。
 少女の名はブランシェ。彼女もまたショコラティエで、これから「サロン・ド・ブランシェ」というチョコレート店をオープンする予定であった。
 ブランシェはのぶ子に一粒食べればどんな願いでも叶うチョコレートをあげる。
 しかも、これを食べても、のぶ子からは『何もとらない』という。
 のぶ子はこれを幾つも食べ、理想の自分に近づいていくのだが…」

・「チョコレートヌガー 静謐な呪い」(「ちゃお」2010年8月号)
「哀川ショコラは差出人不明の手紙で聖アンジュ学院へと呼び出される。
 聖アンジュ学院は非常に戒律の厳しいミッション系の女学校で、町から遠く離れた場所にあった。
 約束の教会に入ると、三人の生徒が先に待っていた。
 三人は皆、二年生で、それぞれ各務春香(信心深く大人しい)、佐伯夏美(ガサツなお嬢様)、高里雪(ボーイッシュ娘)であった。
 彼女たちも差出人不明の手紙で呼ばれていたが、差出人はやはりわからない。
 ショコラが送り主に頼まれたチョコレートをカバンから取り出すと、突風が吹いて扉が閉まり、教会の灯りが消える。
 気が付くと、チョコレートは消えており、扉は開かず、彼女たちは教会に閉じ込められていた。
 異変はそれだけにとどまらず、天使像が血の涙を流し、床には「懺悔せよ!さすれば天国の扉開かれん」と書かれてある。
 少女たちは脱出できる場所を探すも、一人また一人と姿を消していく。
 ショコラのチョコレートが効果を現わしているようなのだが、チョコを食べたのは誰なのであろうか…?
 そして、この教会で起きた『事故』とは…?」

・「パルフェ 夏の日の憂鬱」(「ちゃおデラックス」2010年ホラー増刊号)
「香坂瑠璃は『RINOM』というブランドに勤める新米服飾デザイナー。
 社長の則武薫子は瑠璃のセンスを褒めてくれるが、瑠璃は本当はゴスロリ服のデザイナーになりたかった。
 服のアイデアも溜まり、レンをはじめとする仲間たちも集まり、彼女は遂に自分のブランド『ラピスラズリ』を立ち上げることを決定。
 彼女とレンが社長に退職を願い出ると 社長は困惑しつつも、今やっている仕事が終わったら辞めてもいいと言う。
 その日から昼は『RINOM』の仕事、夕方からは『ラピスラズリ』の準備と大忙しの毎日が始める。
 だが、あまりにやることが多く、瑠璃は憔悴していく。
 更に、予定通りにいかないストレスや嫌がらせによるトラブルもあって仲間と喧嘩となり、彼らは彼女のもとから去っていく。
 ある日、哀川ショコラがオープン前の『ラピスラズリ』の前を通りかかる。
 哀川ショコラと瑠璃は以前、出会ったことがあり、ショコラの美しさが瑠璃にインスピレーションを与えていた。
 ショコラが店内を覗くと、瑠璃は過労で倒れていた。
 ショコラは彼女から事情を聞いた後、彼女にぴったりなチョコレートがあるので自分の店に来るよう誘う。
 ショコラ・ノワールで瑠璃に提供されたチョコレートとは…?」

・「おまけまんが ショコラのファッションショー」(描きおろし)
「(「パルフェ 夏の日の憂鬱」の続き)
 哀川ショコラは『ラピスラズリ』で服を選ぶ。
 それを見ていて、香坂瑠璃はたまらずコーデを申し出るのだが…」

 「チョコレートヌガー 静謐な呪い」はミステリーの要素のあるオカルト・ホラーで、読みごたえがありました。
 意外な人物(?)が関わっていて、意表を突かれます。
 また、「おまけまんが ショコラのファッションショー」で、作者はお菓子だけでなく、ファッションにも含蓄が深いことを窺わせます。
 私はオシャレとは縁のない人間なので、よくはわかりませんが、読者の女の子たちはこういう要素も魅力だったんでしょうね。

2024年10月9日 ページ作成・執筆

小学館・リストに戻る

メインページに戻る