みづほ梨乃「ショコラの魔法〜honey blood〜」(2012年12月5日初版第1刷・2019年8月20日第9刷発行)
森の中にあるチョコレート屋、ショコラ・ノワール。
お客を出迎えてくれるのは美しいショコラティエの哀川ショコラと猫のココア。
彼女の作るチョコレートはどんな願いでも叶えてくれる。
ただし、その代償として大切なものを一つ、失うこととなるのだが…。
・「ショコラフィグ 汚れた勝利」(「ちゃお」2012年7月号)
「テニスの強豪である黒百合学園テニス部。
ここでは伊集院をリーダーとするレギュラー陣が幅を利かし、一年生は雑用でこき使われていた。
ある日、佐々木真菜という一年生が入部希望でやって来る。
彼女はジュニア・チャンピオンで、アメリカ留学から戻ってきたばかりであった。
ところが、伊集院のトリッキーな球に翻弄され、一球も打ち返すことができない。
雑用係にされた彼女は伊集院を観察するも、伊集院の強さの秘密がどうもわからない。
真菜はもう一度勝負を挑むが、またもやボコボコに負けてしまう。
彼女が落ち込んでいると、黒猫が彼女に前を通り、森の中に入っていく。
その後をつけると、森の奥にショコラ・ノワールという店があった。
哀川ショコラは真菜に無敗のチョコ「フィグ」を差し出すが…」
・「フローズンケーキ 優しい雪」(「ちゃお」2012年10月号)
「夏。
ショコラ・ノワールに氷室ソルベ・氷室グラスの双子がやって来る。
哀川ショコラの手伝いをするためであったが、本当はソルベは自分の店を開きたいと願っていた。
しかし、グラスはソルベが人から何かを奪い、傷つくことを怖れる。
ソルベとグラスの思惑はすれ違い、このままではどちらかが消えるしかない。
そこで哀川ショコラはフローズンケーキにメッセージを込めるようソルベに勧める…」
・「カカオニブ 苦みの彼方」(「ちゃおデラックス」2012年夏の超大増刊号)
「宇佐美アリスは劇団「クイーン」に所属する俳優の卵。
努力が実り、彼女はある劇の主役に選ばれる。
その劇は都市伝説を基にした「ショコラ・ノワール」で、アリスが演じるのは哀川ショコラ。
彼女は張り切るが、合宿を前にして、遠距離恋愛中の智也が一週間、こちらに来ることとなる。
彼女が悩んでいると、彼女の前に本物の哀川ショコラが現れ、彼女をショコラ・ノワールに招く。
ショコラはアリスに「ジンジャーマンクッキー」を差し出すが、これはクッキーがアリスの身代わりになってくれるというものであった。
アリスは稽古は身代わりに任せ、自分は智也と楽しい時を過ごすのだが…」
・「シナモン 白き落日」(「ちゃおデラックス」2012年ホラー11月号増刊)
「亜姫はスレンダーな娘。
この体型を維持するために彼女は必死にダイエットに取り組んでいた。
だが、バカにしていたぽっちゃり娘のひなのが突如、痩せて、想いを寄せていた蓮見遊星を彼女に取られてしまう。
その夜のマラソン中、亜姫はブランシェという少女と出会う。
亜姫はブランシェからダイエットキャンディをもらうが、効果は抜群。
ただ、何を食べても太らない代わりに、いくら食べてもお腹がすいてしまう。
そして、二人はモデル・オーディションに出るのだが…。
一方、哀川ショコラは白雪の魂が助けを求めていることを知る。
彼女はカカオに案内され、ブランシェのもとに向かうのだが…」
・「鏡よ鏡…」(「ちゃおデラックス」2007年夏の超大増刊号)
「前原杞由は内気で地味な少女。
彼女はクラスメートの江草亨に想いを寄せるが、自分に自信が持てず、告白できずにいた。
ある日、図書室で古ぼけた本を見つける。
それはおまじないの本のようで、午前三時に鏡を見ると、もう一人の自分に会えると書かれていた。
その夜、試してみると、鏡の向こうに真由という少女が現れる。
真由は杞由の双子の姉として生まれるはずであった。
真由は杞由のことを心配し、化粧や服装、髪型についてアドバイスをする。
オシャレのお陰で、杞由はどんどん可愛くなり、友達も増える。
十分自信をつけた彼女は江草亨に告白するのだが…」
「ショコラフィグ 汚れた勝利」「カカオニブ 苦みの彼方」はうまくまとまっていて、佳作ではないでしょうか。
「鏡よ鏡…」はみづほ梨乃先生の初ホラー作品とのことです。
よくあるタイプのストーリーですが、ホラーが苦手な割にはショック描写に力が入っていて、好感が持てます。
2024年12月28日 ページ作成・執筆