みづほ梨乃「ショコラの魔法〜ice shadow〜」(2013年7月31日初版第1刷発行)
森の中にあるチョコレート屋、ショコラ・ノワール。
お客を出迎えてくれるのは美しいショコラティエの哀川ショコラと猫のココア。
彼女の作るチョコレートはどんな願いでも叶えてくれる。
ただし、その代償として大切なものを一つ、失うこととなるのだが…。
・「ショコラ・バレエ 死の舞踏」(「ちゃお」2013年1月号)
「さわむらバレエスクール。
中学二年生の渡辺ニナはスクールの期待の星。
彼女は教師の澤村真智子に憧れ、練習に励む。
澤村真智子は名バレリーナだったものの、事故により選手生命を絶たれていた。
ある日、澤村はニナに焦り過ぎていると注意をする。
すると、ニナは澤村に今度のコンクールで優勝できたら、先生に追いついたと認めてくれるよう頼む。
そして、ニナは見事、コンクールで優勝。
発表の後、ニナはインタビューも受けずにショコラ・ノワールへと向かう。
十年越しの彼女の願いとは…?」
・「パレ・ドール 悠久の画廊」(「ちゃお」2013年3月号)
「荒木さくらと上原加恵は親友同士。
二人は受験生で、同じ高校に行くはずであった。
だが、ある日、さくらは加恵が同じ高校ではなく、美大付属の高校に進学予定だと知る。
さくらが加恵を問いただすと、加恵は自分の進路は自分で決めると言い返す。
さくらは加恵を嘘つきと呼んで美術室をとび出すが、その後、加恵に盗作疑惑が持ち上がり、推薦の話がなくなるという話を耳にする。
加恵は盗作を否定するも、それから、学校に来なくなる。
さくらが加恵を家を訪ねると、行方不明になっており、加恵の母親からさくらのために描いたという絵をもらう。
それは霧の中の森を描いた絵で、不思議なことにいつの間にか絵の風景が変化していた。
バレンタインデーにさくらは加恵の真心を知り、今更ながら悔いていると、また絵の風景が洋風なお店に変化している。
さくらが絵に描かれたショコラ・ノワールを訪れると…」
・「ショコラミルフィーユ 追憶の落葉」(「ちゃおデラックス」2012年冬の大増刊号)
「映画の撮影隊の一行がある島へと向かう。
この島には湖上美紅の別荘があった。
湖上美紅は去年のミス・グランプリであったが、映画の撮影所の火事で大やけどを負い、別荘に引きこもっていた。
新人女優の優香は美紅に憧れており、彼女の助けになればと哀川ショコラに一緒に来てもらう。
だが、再会した美紅は全身大やけどのため、変わり果てた姿となっていた。
そして、彼女のそばにはイケメンの執事が常に寄り添っていた。
機材の故障のため、撮影スタッフたちは島を離れ、女優の優香、一恵、二紀、三葉が島に取り残される。
優香は魔法のチョコレートについて話そうと美紅の部屋を訪ねると、彼女の部屋はカスタムドールだらけであった。
美紅はカスタムドールをバラバラにした後、パーツを組み合わせて「思いどおりの人形にする」ことが楽しみだと話す。
優香は部屋を退出するが、その時、停電が起こり、一恵の悲鳴が聞こえる。
美紅の目的とは…?」
・「サンマルク 二つの顔」(「ちゃおデラックス」2013年初夏の大増刊号)
「影山羽美は活発で勝気な少女。
ある日、彼女は急に幻聴が聞こえるようになる。
それはもう一人の自分の声で、このままでは身体を乗っ取られると羽美は考える。
彼女はショコラ・ノワールを訪れ、哀川ショコラに自分の中にいるもう一人の私を消してくれるよう頼むのだが…」
・「フェイクショコラ 硝子の瞳」(「ちゃおデラックス」2013年ホラー3月号増刊)
「哀川ショコラは人形師の天峰傀儡のアトリエを訪れる。
目的はチョコの配達だが、そのチョコは「レイナ」という人形へのプレゼントであった。
百年前、彼はボロボロの恰好をしたレイナという少女(15歳)と出会う。
彼女はおじ夫婦に暴力を振るわれ、帰るところがなかった。
だが、贅沢な思いをすることなく、このまま死ぬのはイヤだと天峰に訴える。
すると、天峰は自分なら彼女の願いを叶えられると話す。
ただし、彼女の理想が全て叶った時には彼に「お代」を払わなければならない。
それでも、ずっとこのままでいるよりはましと彼女は彼の申し出を受ける。
そして、彼女はお嬢様の地位、美貌、才能を次々と手に入れていく。
しかし、それは魔法により他人から奪い取られたものであった…」
・「おまけまんが クオレの図書準備室」
クオレが作者に代わって読者からのお便りに返事するというショート漫画。
「ショコラ・ミルフィーユ 追憶の落葉」はかなりホラー寄りの作品です。
ただ、ラストがすっきりせず、個人的には「あと、ちょっと…」な感じです。(ヒロインには酷な結末に思います。)
「フェイクショコラ 硝子の瞳」は新登場の天峰傀儡が出てくる回で、もの悲しいストーリーです。
2025年1月12日 ページ作成・執筆