みづほ梨乃「ショコラの魔法〜jewel syrup〜」(2014年2月5日初版第1刷発行)
森の中にあるチョコレート屋、ショコラ・ノワール。
お客を出迎えてくれるのは美しいショコラティエの哀川ショコラと猫のココア。
彼女の作るチョコレートはどんな願いでも叶えてくれる。
ただし、その代償として大切なものを一つ、失うこととなるのだが…。
・「ルージュショコラ 緋色の言葉」(「ちゃお」2013年7月号)
「高橋芽留(メル)は心優しい女の子。
彼女は捨て犬を保護していたことをきっかけに憧れの高橋優哉と知り合う。
彼女の家では犬は飼えなかったため、優哉が捨て犬を飼うこととなり、犬を通じて二人は仲を深めていく。
ある土曜日、彼女は彼に犬の散歩に誘われるが、そこに同じクラスの入江が割り込んでくる。
彼女も高橋優哉のことが好きで、彼と犬の話題で盛り上がり、芽留の入り込む隙間がない。
彼女はその場を立ち去るが、優哉と入江が付き合うのではないかと不安に苛まされる。
芽留はショコラ・ノワールを訪れ、哀川ショコラから「ショコラ・ルージュ」を勧められる。
これを相手の前で食べると、相手の気持ちを知ることができるのであった。
彼女は彼の家族が経営する喫茶店の前でチョコを食べるかどうか迷う。
意を決して食べようとした時…」
・「フォレノワール 木漏れ日の記憶」(「ちゃお」2013年9月号)
「ショコラ・ノワールに光牙という青年が訪ねてくる。
彼は駆け出しのショコラティエで、哀川秀我のチョコに感動したことがあった。
彼は「関東製菓コンクール」のチラシを出し、秀我が亡き今、ショコラに参加するよう勧める。
ショコラは彼の熱意に押され、コンクールへの参加を承諾。
コンクール当日、ショコラのチョコは他のショコラティエを圧倒する。
光牙はチョコを一つ食べただけで、その中に今までのショコラの哀しみや苦悩が凝縮されているのを感じる。
だが、コンクールの途中、彼女は突如、審査員室に呼び出される。
それを聞き、光牙は審査員室に駆けつけるが、そこで残酷な事実が明らかとなる…」
・「ミントショコラ 憂いの雫」(「ちゃおデラックス」2013年夏の超大増刊号)
「歩は運動の苦手な女の子。
彼女はくじ引きで男女混合リレーの選手に選ばれるが、皆の足を引っ張りまくり。
アンカーの小野大地だけは彼女に辛抱強くレクチャーしてくれるが、他のクラスの白沢美香から執拗な嫌がらせを受け、遂に心が折れる。
帰宅途中、彼女はショコラ・ノワールのチラシ(?)を見て、足を伸ばしてみる。
あいにく、足が速くなるチョコは品切れであった。
そこで哀川ショコラは歩にレモンピールのチョコ、シトロネットを勧める。
これを食べると、身体が軽くなったような気がするが、実際のところ、足は速くはなってない。
それでも、自分で何とかしようと、彼女は小野大地と共に練習に励み…」
・「ダークトリュフ 享楽の演者」(「ちゃおデラックス」2013年ホラー9月20日号増刊)
「一部で熱狂的なファンを持つアイドル・グループ『プチ・ピクシー』。
メンバーは涼村月音(14歳)、太田花野(13歳)、鳥井風香(15歳)の三人。
ある日、マネージャーの河村智子が彼女たちに「CM対決」仕事を持ってくる。
三人は大手化粧品メーカーから発売される三種のアイシャドウのCMにそれぞれ出て、webサイトで投票をし、得票数が一番多かった子がソロ写真集&CDデビューができるのであった。
月音は気が進まなかったものの、他の二人はやる気満々で、結局、やることとなる。
その後、CMが放送され、なかなかいい感じの仕上がりであったが、花野のシーンだけ奇妙なことが起こる。
それのお陰で注目を集め、得票数は花野がトップになるも、彼女は撮影中の事故で意識不明の重体となる。
そこで月音と風香の二人で争うこととなるが、今度は月音が次々とトラブルに見舞われる。
彼女は風香が会っていたゴスロリ衣装の少女が怪しいと考えるのだが…」
・「repair 黙する肢体」(描き下ろし)
「ブランシェが目覚めると、そこは人形師の傀儡の工房であった。
彼女の身体は未完成のドールで、傀儡は彼女を徐々に元通りに作り上げていく。
ブランシェはカカオが彼女を治すよう依頼していると信じていたが…」
「ダークトリュフ 享楽の演者」が「アイドル地獄変」といった感じで味わい深かったです。
個人的に、アイドルと聞いて思い浮かぶものは「アイドルマスター」…ではなく、「パーフェクト・ブルー」です。
2025年4月3・4日 ページ作成・執筆