みづほ梨乃「ショコラの魔法〜love flake〜」(2014年11月4日初版第1刷発行)
森の中にあるチョコレート屋、ショコラ・ノワール。
お客を出迎えてくれるのは美しいショコラティエの哀川ショコラと猫のココア。
彼女の作るチョコレートはどんな願いでも叶えてくれる。
ただし、その代償として大切なものを一つ、失うこととなるのだが…。
・「スパイダーモンブラン 運命の糸」(「ちゃお」2014年5月号)
「川瀬えれなと甲田さゆみは友達同士。
奥手なさゆみは宮前という男子を「運命の人」と感じ、彼に告白しようとするも、うまくいかない。
えれなはさゆみと宮前をくっつけようと考え、ショコラ・ノワールで「運命の恋人がわかるチョコ」を求める。
哀川ショコラはそういうものはないと断るも、カカオが無断で試作中のスパイダーモンブランを渡してしまう。
翌日、えれなは学校でスパイダーモンブランを食べると、運命の赤い糸が見えるようになる。
だが、宮前と運命の糸でつながっていたのは彼女であった。
彼が「運命の人」と知ってから、えれなは彼を意識するようになる。
これではいけないと、えれなとさゆりで彼を原宿に誘い、自分はドタキャンして、さゆみと宮前を二人きりにしようと考える。
しかし、当日、さゆみが風邪をひき、結局、自分が宮前とデートをして、ますます親密になってしまう。
そのことをさゆみに知られてしまい…」
・「フロランタン 謀略の教室」(「ちゃお」2014年8月号)
「横山美々はショコラ・ノワールでショコラ・サブレを食べて、姉の姿に変身する。
彼女の目的はただ一つ、意識不明状態にある姉の身に何が起こったのか確かめるためであった。
一月前、美々の姉は進学校の麗徒学園に進学する。
だが、入学後から徐々に元気をなくし、ある日、階段から落ち、頭を強く打って意識不明になってしまったのであった。
麗徒学園に侵入してすぐに、美々は姉が扇町千景という女子生徒から陰湿ないじめにあっていたことを知る。
美々は教師に千景のいじめを報告するも、千景の父は学園に多額の寄付をしており、教師は当てにならない。
ならば、千景のいじめの証拠を入手することを決意。
しかし、千景に美々が姉に変身していることを知られてしまい…」
・「ショコラ・クレヨン 真夏の桜」(「ちゃおデラックス」2014年7月号)
「野原小月(のはら・さつき/中学二年生)の学校では不思議な事件が連続して起こる。
階段から転落した女子生徒の下にクッションが現われたり、プールで溺れた子の前に浮き輪が出てきたり…etc。
生徒たちは妖精のしわざと噂するが、実はこれら全て、小月のしわざであった。
ことの発端は一月前、彼女のクラスは粗暴な男子生徒たちのおかげで崩壊寸前であった。
小月はショコラ・ノワールの噂を聞き、この状況をどうにかすべく哀川ショコラに相談する。
ショコラが出したのは「ショコラ・クレヨン」で、これは「描いたものを本物にするチョコ」であった。
これは何度でも使えるが、ただ一つ、使うところを人に見られてはならない。
小月はこのクレヨンを使い、人知れず女子を男子から守る。
ある夜、男子生徒たちは夜の学校に忍び込み、妖精を捕まえようとする。
小月は彼らにお仕置きしようとするのだが…」
・「トライフル 魔女の消失」(「ちゃおデラックス」2014年9月号)
「松本花音は男性恐怖症の女の子。
彼女がショコラ・ノワールを訪れると、店内は青年が一人だけ。
彼はアイドルグループのメンバー、雨宮涼であった。
彼に店員はいないと言われ、花音は彼と共に帰ろうとする。
しかし、森の中をどう進んでも、ショコラ・ノワールに戻ってしまう。
とりあえず、店に戻ると、ハート形のメモが現れる。
それには、ここから出たければ、指示された材料を集めるよう書かれていた。
花音と涼は指示される通り、材料を集め、それを調理していくのだが…。
二人の願いとは…?」
・「ダークラム 奪われた光」(「ちゃおデラックス」2014年ホラー&ミステリー10月号増刊)
「榎本真桜(えのもと・まお)は女優の真木小百合の付き人。
真桜は小百合に憧れ、彼女のような女優になりたいと願っていた。
ある時、真桜にテレビドラマの主役の話が来る。
ドラマでは小百合とダブル主役で真桜は大喜びするものの、小百合は無名の新人と共演することを拒否し、話は流れてしまう。
傷心の真桜はショコラ・ノワールを訪れ、事情を説明すると、哀川ショコラは強奪のチョコ「ダークラム」を差し出す。
これを食べた後、小百合が降板したため、真桜にテレビドラマの主役が回ってくる。
テレビドラマは大ヒットし、これをきっかけに真桜は次々と成功をおさめ、トップ女優となる。
だが、彼女の身辺で奇妙なことが起こるようになり…」
「トライフル 魔女の消失」は凝った展開で楽しめました。
ただ、ラストがあまりに大甘なのが…まあ、ハッピー・エンドだからいっか。
2025年3月8日 ページ作成・執筆