窪茶「辱 ―にく―」(2016年12月24日初版第1刷発行)

「東北を旅行中のオカルト研究部の男三人組。
 リーダー的な中田竜司、部長の郷田、そして、カメラ・マニアの香取公平。
 心霊スポット巡りのついでに、彼らは辺境の混浴露天風呂を訪れる。
 そこで、若い娘から、地図にも載っていない、謎の村の存在を教えられる。
 半信半疑で行ってみると、道もないような山奥に、その村は実在していた。
 そこは、男は皆、出稼ぎに出て不在で、若い娘ばかり。
 しかも、祭の最中ということで、三人は彼女達から歓待を受ける。
 だが、彼らは一人また一人と姿を消していく。
 その頃、村の奥の神社では、巫女達が、ある肉を使って、料理を作っていた。
 その肉は、行方不明になった男達を、生きたまま解体したものであった。
 最後の一人となった公平は村から脱出する方法を探るが…」
(「裏サンデー」2016年1月8日配信分〜8月19日配信分掲載作品)

 正直な感想としては、B級ホラー映画のような作品だと思います。
 もう少し詳しく言いますと、残酷描写とエロを散りばめ、あとは勢いでラストまでぶっ飛ばす…といった感じでしょうか。
 細かいところを詮索すると、よくわからないことばかりです。
 一体どういう神を祭っているのか?鬼巫女とは何なのか?人肉料理を作る目的は?…全く説明はありません。
 でも、それは、B級ホラーで殺人鬼が何故殺人鬼が人を殺すのか?と聞くぐらいに野暮なことです。(注1)
 そういう設定なのであれば、それはそれで受け入れなければ仕方ありません。
 というワケで、深みには欠けるとは思います。
 ただし、人体解体描写はかなり陰惨で、小学館で出たのが驚きです。
 でも、はみ出た内臓にモザイクをかけているのは興ざめです。(最初からモザイクをかけていたのか、単行本化に際してかけたのか、謎です。)
 やるからには、「ターヘルアナ富子」みたいにガンガン出さにゃあ。

・注1
 答えは「何故なら、殺人鬼だから」。

2019年2月3日 ページ作成・執筆

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