阿南まゆき・他「押し入れおじょうさん」(2009年10月6日初版第1刷発行)
収録作品
・阿南まゆき「押し入れおじょうさん」(「ちゃおデラックスホラー」2009年掲載)
「永倉家はあるアパートに引っ越してくる。
光美と睦美の姉妹は同室になるが、その部屋の押し入れの壁には気持ちの悪い女性の絵が描かれていた。
その夜から姉妹の夢には押し入れの絵の女性が現れるようになる。
彼女は足がないので、姉妹から足を奪おうとしていた。
姉妹は父親に頼んで、押し入れの絵を白いペンキで塗りつぶしてもらうのだが…」
・坂元勲「ダルマさんがころんだ」(描きおろし)
@あそぼう
小学六年生の楓は塾の前で母親が迎えに来るのを待つ。
その時、夜道の電信柱の前に一人の少女がしゃがみこんでいるのが目に入る。
楓が早く帰るよう少女に声をかけると、「あそぶ?」とだけ少女は答える。
そこへ母親がやって来て、気が付くと、少女の姿は消えていた。
母親と共に帰宅すると、マンションのドアの前にまたあの少女がしゃがみこんでいる。
ドアを開けると、少女の姿はなく、楓は少女が幽霊だと気づく。
その夜、楓は夢を見る。
それは少女が変質者に殺されるというものであった。
翌日、楓が女友達と共に過去の事件を調べると…。
Aうしろに…
ミユキはオシャレで、明るい少女。
彼女のクラスには金田という不潔で陰気な少女がいた。
クラスの女子は彼女を忌避するが、ミユキだけは普通に接しようとする。
体育の時間、ミユキは金田から風呂に入らない理由を教えてもらう。
金田は、風呂に入っている時、「ダルマさんがころんだ」と言うと、オバケが出ると本で読んで、それを試してみたという。
そうしたら、「何か」が出て、以来、彼女はお風呂が怖くて入れなくなったというのだが…。
・久世みずき「姫の棺」(描きおろし)
「一ノ瀬このはの携帯電話に奇妙なメールが届く。
それは「Casket of princess」というサイトへの招待状であった。
このサイトは「大好きな彼をゲームで育成」することができ、このはは憧れの白石弘行の写真を送り、彼をゲーム登録する。
このははゲームに夢中になり、彼の世話を甲斐甲斐しく焼くと、現実世界でも彼と親しくなっていく。
彼女はゲームが現実とリンクしていることを知り、ますます夢中になるが…」
・栖川マキ「いっしょに撮ろうよ」(「ちゃおデラックスホラー」2009年掲載)
「香坂結衣(13歳)はプリクラ大好き少女。
しかし、クラスで一番プリクラを撮っているのは涼花という少女で、結衣は嫉妬の炎を燃やす。
彼女は涼香を超えたいが、お小遣いは尽き、友達だってそうそう結衣のプリクラに付き合ってはいられない。
そんな時、彼女は路地の中の建物にプリクラの機械があるのを発見する。
それは見たことのない機種であったが、かわいいフレームがいっぱい。
でも、一人で撮ることを躊躇していると、この機械には「ともだちリスト」という機能がついている。
「ともだちリスト」には多くの少女の写真があり、その中から一人選んで撮ると、一緒に写っているものであった。
しかも、「ともだちリスト」に自分を登録すれば、無料でプリクラを撮り放題だというのだが…」
・姫川きらら「月光虫」
「マミヤは仲間外れにされることをひどく恐れていた。
だが、友達と付き合うにはあれこれと金が必要で、彼女はハブられる寸前。
ある夜、彼女は奇妙なテントウムシを見つける。
これは黄金色に光っており、彼女はそれを家に持ち帰り、昆虫ケースに入れる。
ネットで調べると、これは「月光虫」という非常に貴重な虫であった。
月光虫は斉藤博士によって品種改良された肉食のテントウムシで、オークションでは云万円で取引されていた。
マミヤは月光虫に子供を産ませることに成功し、それを売って、金を手にする。
これによって、彼女は友達をつなぎとめることができると考えるのだが…」
・小室栄子「通夜の晩」
「凛の曾祖母が亡くなる。
曾祖母は霊能者で、除霊などを生業としており、凛は彼女のことが怖かった。
本通夜の前に家族や親戚は買い物に出かけ、凛は一人で留守番することとなる。
この地方では線香は仏様の大事な魔除けで、「線香消えたら鬼が来る」と言い伝えられていた。
そして、実際に家の周囲で鬼や妖怪が機会を窺っていることに凜は気づく。
時間が遅くなっても、家族や親戚は帰って来ず、家の中にまで魑魅魍魎が入り込んでくる。
凜は祖母の死体を守り切ることができるのであろうか…?」
銭ゲバな少女の末路を描いた、姫川きらら先生の「月光虫」がバッド・テイストな内容で個人的ベストです。
また、久世みずき先生「姫の棺」はラストのどんでん返しがうまく、佳作だと思います。
2024年8月25・26日 ページ作成・執筆