能登山けいこ・他「のぞき穴 〜恐怖の別世界へ〜」(2021年6月6日初版第1刷発行)
収録作品
・能登山けいこ「鍵」(「ちゃおデラックス」2021年1月号ホラー増刊)
「高校生のヒカリはカナタという男子生徒に片想い中。
ある日の下校時間、彼女は彼が家の鍵を落とすのを目にする。
彼女は鍵を拾い、彼の後をつけて渡そうとするも、彼は鍵を捜しに学校に戻り、結局、渡しそびれてしまう。
とりあえず、鍵は家の中に入れておけば安心と思い、ヒカリは玄関の鍵を開けて、中に入る。
ちょっとだけのつもりが、好奇心が勝り、彼の部屋に入った時に彼が家に戻ってくる。
その時はベッドの下に隠れてやり過ごすが、彼の私生活を知ることができて、彼女は大興奮。
以来、彼女は彼の家が無人の時に出入りするようになり、秘密の隠れ場所である天井裏に潜む。
そこにはおあえつらむきの覗き穴があり、彼女にとって「幸せな場所」であった。
しかし、カナタは部屋で視線を感じることに不審を覚え、スマホで部屋の中を録画する。
それに映っていたのは…?」
・小森チヒロ「花喰い」(「ちゃおデラックス」2021年1月号ホラー増刊)
「田舎の中学校に花篭という美形の兄妹が転校してくる。
陸上部の佐倉まりえは部活に夢中で、彼のことに関心がなかったが、彼が遠くから彼女を見ていることに気付いてから、彼を意識するようになる。
ある日、彼女は廊下でうずくまっている低学年の女の子に目にする。
少女の顔は真っ青で、まりえは彼女を保健室に連れて行こうとするが、少女に拒否され、とりあえず、手持ちのキャンディーを渡す。
そこに花篭が現れ、少女は彼の妹であることが判明。
彼に「ありがとう」と爽やかな笑顔で言われ、まりえは彼に心を奪われる。
だが、彼は学校一の美人と付き合っており、まりえは彼のことを忘れようとする。
部活中、ケガをした彼女は保健室に行く。
すると、ベッドに花篭の兄妹がいて…」
・いわおかめめ「鏡の世界」(「ちゃおデラックス」2020年9月号ホラー増刊)
「赤堀ラミは高校一年生の女の子。
彼女の両親は彼女のことでしょっちゅう喧嘩ばかり、また、友人たちからもいろいろと小言を言われ、この世から消えてなくなりたいと考える。
この学校には「午後6時10分、学校の鏡に映った者はこの世界から消える」という言い伝えがあり、放課後、彼女は鏡の前にずっとたたずむ。
すると、その時間に鏡の中にもう一人の自分が現れる。
もう一人の赤堀ラミは素晴らしい笑顔を浮かべていた。
彼女によると、鏡の世界は「笑顔が常識」だという。
ラミは家に帰るぐらいなら鏡の世界の方がマシだと思い、鏡の世界へ行く。
そこでは皆、笑顔で、平和な世界であった。
ただし、もしも怒ると…」
・小室栄子「となりのあの子」(「ちゃおデラックス」2020年1月号ホラー増刊)
「藪本あいはの一家はある町に越してくる。
この町ではいろいろな場所に「子泣き石」があり、それは「子泣きじじい」を祀ったものであった。
ある日、あいはが小学校から帰宅すると、隣の家の男の子が道の真ん中で泣いている。
男の子の名は「たっくん」で、どうしたのか聞くと、母親が帰って来ないと答える。
彼はあいはに家で遊ぶようねだるが、さすがに家の中は気が引けて、庭で彼と遊ぶ。
次の日も彼と遊ぶ約束を彼女はするが、翌日の放課後、クラスメートにさそわれ、遊びに行ってしまう。
帰宅すると、たっくんが隣家のドアの前で大泣きをしていた。
彼はあいはが約束を破ったことを責め、あいはは仕方なく彼の頼みを聞くことにする。
彼女は隣家の中でたっくんとかくれんぼをすることなのだが…」
・福永まこ「黒塚くんのお弁当」(「ちゃおデラックス」2019年9月号ホラー増刊)
「可奈のクラスの黒塚は決して弁当を人には見せない。
更に、彼女の学校では生徒の行方不明事件が連続しており、彼の弁当と関連があるのではないかと噂されていた。
可奈は彼の弁当の中身を知ろうと彼に接近し、逆に自分の弁当箱をひっくり返される。
昼食抜きで彼女がフラフラしていると、彼氏の本間が彼女を旧校舎へと連れて行く。
そこの植え込みには見知らぬ花が咲き誇っており、その蜜はたまらなくおいしく、リラックスできる。
堪能した可奈は先に帰るが、その場所の近くに黒塚の姿があった。
その後、本間が行方不明になる。
彼女は彼の失踪と黒塚が無関係なことを証明するため、黒塚と一緒に弁当を食べるのだが…」
小室栄子先生「となりのあの子」は現代社会に妖怪(しかも、子泣きじじい)をうまく絡ませて、面白かったです。
また、能登山けいこ先生「鍵」はもろ「屋根裏の散歩者」で、江戸川乱歩の影響がいまだに衰えないことが興味深く感じられました。
2024年10月15日 ページ作成・執筆