坂元勲・他「いちばんこわい話 〜閲覧注意!本気でこわい衝撃ホラー集〜」
(2014年10月6日初版第1刷発行)

 収録作品

・坂元勲「セキグチさん」(2014年「ちゃおデラックスホラー」3月20日号増刊)
「太田美由が引っ越した町には、奇妙な風習があった。
 それは日曜祝日以外にも「セキグチさんの日」という休日があり、その日は外出禁止とされていた。
 事情を知らない美由は、大した考えもなしに、その日、外出をする。
 だが、町は人気がなく、ゴーストタウンのようであった。
 美由が家に帰ろうとした時、外出禁止の理由を知ることとなる…」

・七瀬レイ「ルナちゃんとユビキリ」(2014年「ちゃおデラックスホラー」3月20日号増刊)
「父親の友人が亡くなり、ルナという少女が美紘の家に預けられる。
 ルナは「うさた」という兎の人形をいつも抱えた、あどけない少女であった。
 美紘は、ルナとうさたのお姉さんになって、ずっと一緒にいることを指切りげんまんをして約束する。
 しかし、その約束が美紘を窮地に追い込むことになる…」

・小室栄子「禁断の百物語」(2014年「ちゃおデラックスホラー」3月20日号増刊)
「野崎唯架は怖い話が大の苦手。
 しかし、友人の千早、静、摩利は、週末のお泊り会で、百物語をしようと盛り上がる。
 全く乗る気でなかったものの、断れず、唯架は遅刻して、千早の家を訪れる。
 既に百物語は始まっており、三人は唯架を部屋に閉じ込めて、強制的に怖い話を聞かせる。
 そして、最後のロウソクになった時…」

・横山真由美「虚ろの正面」(2014年「ベツコミ」8月号別冊ふろく)
「めぐるは、ホラーオタクな女子高生。
 彼女は、幼馴染で兄貴分のナオカタが勤める古書店で「百呪 呪われた都市伝説」という本を購入する。
 帰宅後、その本を読み、特に「うつろ」という記事に強い印象を受ける。
 「うつろ」とは「強い怨念の集合体を顔面に持つ女の霊」で、その顔を覗いた者は虚ろの深淵に吸い込まれ、怨念の一部になってしまうという。
 寝るために本を片付けようとしたところ、めぐるは指を傷つけ、「うつろ」の挿絵に血を零してしまう。
 すると、「うつろ」の挿絵は血を吸い込み、異様な音と共に変化し始める。
 めぐるはその本を処分した後、本の由来を知るため、ナオカタに相談するのだが…」

・のせじゅんこ「魚の涙」(2012年「ちゃおデラックスホラー」夏の超大増刊号)
「阪田めぐ(12歳)は夏休み、祖母の家に遊びに行く。
 とは言え、一緒に来るはずだった友達は風邪で来られず、かつド田舎で暇を持て余す。
 仕方なく、一人で川遊びをしていたところ、昼ご飯に呼ばれ、獲ったばかりの魚を陸に放置して家に入る。
 昼ご飯は川魚料理で、先程のことがあり、とても食べる気になれない。
 すると、祖母は「魚を粗末にしたら神さんの怒りをこうて おそろしい目にあう」と話す。
 以来、めぐは奇妙な視線を感じるようになるのだが…」

・溝口涼子「地獄の美少年」(描き下ろし)
「橘芽留(たちばな・める/12歳)は以前仲良しだった少女二人に仲間外れにされるようになる。
 彼女が公園で落ち込んでいると、イケメンの少年が彼女に話しかけてくる。
 都市伝説で、キスすると発狂してしまう「地獄の美少年」というのがあり、芽留は一瞬少年を疑うが、彼は心優しい普通の少年で、彼女を慰めてくれる。
 翌日、芽留のクラスに彼(袴田キラ)が転入してくる。
 芽留と彼の仲を羨んで、芽留を無視していた少女二人は彼を屋上へと呼び出すのだが…」

・諸岡きゅうこ「白い箱」(2014年「ちゃおデラックスホラー」3月20日号増刊)
「小学六年生の神崎ユカのもとに届いた、謎の箱。
 その箱にはどんな大きさのものでも入り、彼女はどんどん不要なものを片付けていく。
 そして、その標的は、父親の単身赴任後、猫ばかり可愛がって、ユカを省みなくなった母親にも向けられ…」

・牧原若菜「虫に願いを…」(2013年「ちゃおデラックスホラー」9月20日号増刊)
「ミキは、父親からカブトムシの幼虫をもらって、大ハマり。
 彼女は幼虫に「トム」と名付け、こまめに世話をする。
 幼虫は大きなサナギとなり、やがて羽化するのだが…」

・姫川きらら「惨劇の館」
「昴星高校化学部の赤城(♂)と浅見(♀)は南先生の家を訪ねる途中、道に迷ってしまう。
 南先生は高校で生物を教えるかたわら、ナメクジを使った再生医療の研究でも知られていた。
 途中、浅見は足を踏み外して転落し、片足を捻挫する。
 赤城は助けを求めて、その場を立ち去り、浅見は一人取り残されるが、そこへ老婆が通りかかる。
 老婆は南先生の祖母で、家に案内され、治療を受ける。
 急な睡魔に襲われた浅見が目覚めると、部屋の中には妙な粘液の筋だらけであった。
 彼女が、筋が途切れた先のドアを開けると、その向こうには…」

 坂元勲先生の「セキグチさん」を最初読んだ時、久々に怪奇マンガで鳥肌が立ちました。(夜中にうっかり読んだのが、失敗でした。)
 釈然としない部分も多少はありますが、個人的には、「モンスターもの」の良作だと思います。
 あと、溝口涼子先生「地獄の美少年」で、「カク カク」と発狂する少女達の描写が味わい深かったです。

2020年10月12・23日 ページ作成・執筆

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