中嶋ゆか・他「扉を開けたら殺される」(2020年6月6日初版第1刷発行)
収録作品
・中嶋ゆか「天使様に触れてはいけない」(「ちゃおデラックス」2020年1月号ホラー増刊)
「透子は心臓の病気で、15歳の誕生日まで生きるかどうかわからないと言われていた。
しかし、彼女は「キセキの贈り物」という絵本に出てくる「てんごく」の「天使様」を信じ、死ぬのは怖くはない。
彼女の15歳の誕生日、両親が「キセキを起こせる」「天使様」を見つけたと彼女に報告し、山奥にある、小さくて白い教会のような家に連れて行く。
ここは「祝福の家」という特別な医療施設で、案内された部屋には包帯だらけの少年がいた。
彼は不思議な力を持っており、肌に触れただけでどんな病気や怪我でも治すことができる。
ただし、治療の際、彼自身がその痛みを代わりに負うことになるのであった。
透子は満身創痍の少年を可哀そうに思い、病気を治してもらわなくていいと断る。
少年は二人で話したいと大人たちに言って、透子は少年と部屋に二人きりとなる。
彼は透子の優しい気持ちに心を打たれ、また、透子の方は同年代の友達がいなかったこともあり、二人は友達となる。
そして、少年は自分が何故このようなつらいことをしているのか打ち明ける。
彼は養護施設の出身で、その施設を維持するお金を稼ぐために、人の治療をしているのであった。
彼は透子に自分に触れるよう促すのだが…」
・小森チヒロ「王子様でいさせて」(「ちゃおデラックス」2020年1月号ホラー増刊)
「町外れの森にある不気味な洋館、通称『幽霊屋敷』。
そこに鍵山という少女がいじめっ子たちに連れて来られ、閉じ込められる。
とりあえず、出口を捜すと、目に包帯を巻いた少女が蝶と戯れていた。
少女が倒れそうになったので、鍵山が助けに行くと、少女は顔を赤らめ、「王子様」と言って抱き着いてくる。
少女の名は芽亜で、彼女の目は生まれつきの病気で見えなかった。
そして、彼女は王子様が出てくる絵本のカセットを何度も聞いて、王子様が来るのをずっと待ち望んでいた。
鍵山は「いつかこの目を本を読むのが夢なの」という芽亜の言葉を聞いた時、彼女の「王子様」になることを決意し、彼女に新しい絵本を読み聞かせることを約束する。
彼女はここに自分の居場所を見出すのだが…」
・小室栄子「殺人の館」(「ちゃおデラックス」2019年9月号ホラー増刊)
「ヒミカはゲーム大好き少女。
ある日、父親が彼女に新しいゲームの体験モニターをやらないかと勧めてくる。
両親と共にゲーム研究所に行くと、VRゲーム用のモーションチェアに座らされ、ゴーグルを装着させられる。
彼女がこれからプレイするゲームは『殺人の館』というサバイバル・ホラーゲーム。
途中でセーブはできず、ゲームを終えるにはゲームクリアかゲームオーバーのみ。
そして、このゲームは非常にリアルで『すごくこわい』というのだが…」
・環方このみ「白雪姫」(「ちゃおデラックス」2019年1月号ホラー増刊)
「みんなご存じ、白雪姫の物語。
王子様との結婚式の前、白雪姫は森に行きたいと王子にお願いする。
王子は「一度きり」ならと承諾し、彼女は森で小人たちと再会し、お土産をもらう。
楽しそうな白雪姫のかたわら、王子の目に見えてくるのは…?
そして、小人たちの正体は…?」
・環方このみ「カイダンヘヨウコソ」(「ちゃおデラックス」2019年9月号ホラー増刊)
「怪談を話すのが大好きな少女。
彼女は思いついた怪談を『怪談ノート』に書き溜めていた。
ある夜、彼女は奇妙な夢を見る。
ベッドで寝ている彼女を女性らしき幽霊が覗き込んでおり、何やら言っているのだが、聞き取れない。
怪談をノートに書く度に、その夢を見るようになり、しかも、その幽霊が徐々に彼女に近づいてくる。
彼女は怪談ノートに原因があると考え…」
・えびなしお「森ののくまちゃん」(「ちゃおデラックス」2020年1月号ホラー増刊)
「森ちひろの宝物はぬいぐるみのくまちゃん。
小さい頃から大切にしてきて、寝る時に抱きしめるのが最高の幸せ。
ある日、父親が保護犬のケンタを家に連れ帰り、飼うこととなる。
ちひろはケンタに夢中になり、くまちゃんのことはすっかり忘れてしまう。
ある日、彼女が庭でケンタと遊んでいると、カーテンの隙間からくまちゃんの姿が見える。
気になり、彼女が部屋に戻ると…」
・くまき絵里「悲しみのバラ屋敷」(「ちゃおデラックス」2019年9月号ホラー増刊)
「有名園芸家、段原葉子が住む『バラ屋敷』。
彼女は16年目に夫が病死してから、バラだけを愛して過ごしてきた。
ある夏、高校の園芸部に所属する茨は住み込みで葉子の手伝いをすることとなる。
ある日、バラの印のついたドアが茨の目に留まる。
葉子は古い物置と説明するも、好奇心が抑えられず、茨は夜、そのドアを開けてみる。
ドアの先には地下室に降りる階段があり、地下には顔のない青年が住んでいた。
目鼻口はないものの、決して悪い人物ではなく、茨は毎夜、彼のもとを訪れ、親睦を深めていくのだが…。
顔のない青年の秘密とは…?」
この単行本ではファンタジー寄り(もしくは浮世離れ)の作品が多めな気がします。
その中でも環方このみ先生「カイダンヘヨウコソ」は捻った怪談話で面白いと思います。
あと、小室栄子先生「殺人の館」はゲームの中でリアルな体験をするというよくあるテーマですが、ブラックなオチが効いております。
2024年10月3日 ページ作成・執筆