阿南まゆき・他「誰かがそこにいる」(2006年9月5日初版第1刷・2010年10月20日第14刷発行)

 収録作品

・阿南まゆき「ユリア」(「ちゃおデラックス2005年8月25日号」掲載)
「功平の彼女、ユリアはわがままで、凶暴。口癖は「ぶっころすよ」。
 でも、彼はそんな彼女の全てが好きで、ある日、指輪を送り、プロポーズをする。
 しかし、その三日後、ユリアは交通事故で急死。
 落ち込む彼の携帯電話に、午前二時になると、ユリアからメールが来るようになる。
 日が進むにつれ、彼女は彼の部屋に近づいているようのだが…」

・清水真澄「友達は窓のむこう…」(「ちゃおデラックス2006年2月20日号」掲載)
「山城由美は、親の転勤で転校が多く、ずっと一人ぼっち。
 次の学校で、友達をつくろうとするものの、気に入られようとして、逆に、八方美人扱いされてしまう。
 悲嘆する彼女に、塚本香里(かおり)という少女が話しかけてくる。
 彼女も由美と同じ転校生で、クラスでいじめにあい、孤立していた。
 以来、二人は、立ち入り禁止の元・技術室でしばしば会うようになる。
 香里は由美を慰め、いろいろと忠告してくれるが、逆に由美はますますクラスで孤立を深めていく…」

・牧原若菜「鳥の棲む家」(「ちゃおデラックス2005年8月25日号」掲載)
「あやの一家が手に入れた家は、多少古いが、値段も場所も手頃な物件であった。
 家には、前の住人が置いて行ったらしいオウムがおり、非常に賢く、家族とすぐに打ち解ける。
 だが、あやはそのオウムに生理的嫌悪感を抱き、どうしても受け付けない。
 そんな彼女にオウムは敵意を抱き、また、家族を操り、あやを追い詰めていく…」

・水瀬いつる「わたしが消えた夜」(「ちゃおデラックス2005年8月25日号」掲載)
「一之瀬ゆずは、毎日が忙しい。
 学校ではクラス委員の仕事や森泉という男子生徒に勉強を教えること、家に帰れば家事と、遊ぶ暇などない。
 ある下校途中、彼女は「行かないで…」という声を聞き、声の出所を捜すと、ゴミ捨て場に少女の人形が捨てられているのに気づく。
 何となく、ゆずはその人形を家に持ち帰り、自分に似ているというので、「ゆずゆず」という名前を付けて、部屋に飾る。
 以来、ゆずが寝ている間に、普段の彼女だったらやらないような行動を次々ととる。
 彼女は自分が夢遊病だと思い、学校を休み、眠らないよう努める。
 彼女を心配して、森泉が彼女の家を訪れるのだが…」

・小原ショウ「サクラ散る夏の夜」(「ちゃおデラックス2005年8月25日号」掲載)
「明治41年8月。
 大槻忍(男/15歳)は結核の療養のため、冥神村(みょうじんむら)に身を寄せていた。
 冥神村には遠い親戚の柴田家の別荘があり、皆が忍を絶望視する中、柴田家の娘、郁子だけは彼の回復を待ち望む。
 ある夜、手まり唄に誘われ、忍は森の奥にある神社跡を訪れる。
 すると、桜の大木の下に、見知らぬ少女がおり、「森に近づかないで」と言って、姿を消す。
 翌日、忍はその少女を捜すが、村にはそんな娘はいなかった。
 お手伝いの老婆は、忍と郁子に、この村に伝わる「桜の呪い」の話を話すが、神社跡の桜にまつわる、悲しい過去とは…?
 郁子は、忍の病気を治すため、伝説の「紅い実」を手に入れようと森へと入るのだが…」

・北村有香「撮ってはいけない」(「ちゃおデラックス2006年4月20日号」掲載)
「旧校舎で写真部員、マキが自殺して以来、旧校舎にはマキの呪いがあると噂されるようになる。
 事件から二年後、一年生の写真部員、愛川璃子(りこ/13歳)が撮った、コンクール用の写真には旧校舎が写っていた。
 皆は、マキの呪いを理由に出品に反対するが、三年生の橘瑛太先輩の「呪いなんてあるかよ」という言葉で、璃子は出品を決意する。
 しかし、以来、璃子の周辺ではおかしなことが続き、その際には必ず、写真を出品しないよう警告が残されていた。
 遂には、車椅子の写真部部長、高瀬伊吹が何者かに突きとばされ、交通事故にあいそうになるという事件まで起こる。
 璃子は、マキに呪いを解いてもらうよう、旧校舎にお願いに行くのだが、そこで意外な事実が判明する…」

・兎野みみ「ヒュ〜ドロドロいながわクン」
 作品の合間に挿入される、1ページのギャグ漫画。

2019年8月7・8日 ページ作成・執筆

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