五十嵐かおる・他「あなたの知らない世界」
(2004年8月5日初版第1刷・2007年2月25日第10刷発行)

 収録作品

・五十嵐かおる「ガラスの叫び」(「ちゃおデラックス」2003年8月21日号)
「藤崎夏生は性格のキツい少女。
 特に、クラスの心霊少女、桐島が大嫌い。
 ある日の下校途中、彼女は老婆にカバンをぶつけてしまい、それがもとで老婆は腰を痛めてしまう。
 仕方なく老婆の風呂敷包みを寺に運ぶが、その中の箱に
きれいなブレスレットがあった
 夏生はこっそりそれを持ち帰り、自分の手首にはめる。  その夜、彼女は奇妙な夢を見る。
 夢の中では長い黒髪に白装束の女性が後姿を見せ、泣いていた。
 翌日、彼女はブレスレットを友人たちに自慢するが、それを見て桐島は顔色を変える。
 桐島は夏生にブレスレットを手放すよう警告するも、夏生は全く聞く耳を持たない。
 夜、夏生は再びあの夢を見て、黒髪の女性が彼女にブレスレットを返すよう迫ったところで目が覚める。
 学校で夏生は桐島にブレスレットは危険だから自分に預けるよう言われるが、夏生は意固地になって桐島に反発する。
 しかし、桐島の言うとおり、夏生の身には危険が近づきつつあった…」

・うえだ美貴「主役になりたい…」(「ちゃおデラックス」2003年8月21日号)
「赤星奏美は演劇部の看板女優。
 だが、彼女の運命は一人の転校生が入部したことにより一変する。
 その転校生は桧山透子という美少女で、どこかのプロダクションで本格的に演技を勉強しているらしい。
 奏美はさほど気にしてなかったが、演劇コンクールの主役の座を奪われたことで、奏美の中に嫉妬の感情が生まれる。
 この感情は透子を見る度に膨らみ、やがては憎悪へと変わっていく。
 そんなある日、彼女は道端で「魔術全書」という本を拾う。
 その本には人を呪殺する方法も記されており、奏美は透子をこの世から消し去るべく、儀式を行うのだが…」

・小室栄子「どきどき不思議クラブ」(「ちゃおデラックス」2003年8月21日号)
「第一理科室はオカルト同好会「不思議クラブ」の部室。
 部員は天上まひる、大神未苑(二年)大神巴(一年/未苑の弟)の三人。
 中でも、新部員のまひるは霊感少女で、彼女には守護霊のピータン(犬)がついていた。
 ある日、まひるは未苑に乞われて、部室でこっくりさんをする。
 巴はわざと十円玉を動かしていたが、突如、本物の霊が降りてくる。
 それでも、巴はこっくりさんに逆らって十円玉を動かし、まひるが注意した時、こっくりさんの紙が床に落ちる。
 巴はそれを踏んづけて、鳥居の絵を汚したばかりか、注意されたことに逆切れして、紙をビリビリに引きちぎってしまう。
 まひるがこっくりさんを帰さなかったことを心配していると、巴にはバッチリ鬼が憑いてしまっていた。
 まひると未苑は巴を救うべく、奔走するのだが…」

・溝口涼子「ずっと一緒にいてほしい」(「ちゃおデラックス」2003年8月21日号)
「花乃はゼンという彼氏ができて浮かれまくり。
 次の土曜日に彼が部屋に訪ねてくるというので、子供っぽいものは全部処分する。
 その中には幼い頃から今まで大事にしてきた「ピノくん」という人形もあった。
 土曜日、ゼンが彼女の家にやって来るが、彼が家にいる間、おかしなことが立て続けに起こる。
 彼は花乃の部屋にある人形が気持ち悪いと言うが、それは捨てたはずのピノくんであった。
 どうやら母親が捨てなかったようで、彼女は人形の悪口を言われて傷つく。
 更に、別れ際には彼の携帯電話がフリーズし、電源を入れなおすと、別の女性から彼に宛てたメールが画面に表示される。
 二人は気まずく別れるが、その後、母親は人形を捨てていないことが判明。
 花乃は人形をくれた老婆に話を聞きに行くと…」

・早津ちさと「呪われた放課後」(「ちゃおデラックス」2003年8月21日号)
「郁美は友達は多い方が良いと考えていた。
 というのも、そちらの方が都合がいいからで、ことあるごとに友達を利用する。
 結局、それがもとで次第に敬遠されるようになり、彼女が校舎の屋上で落ち込んでいると、見知らぬ女子生徒が話しかけてくる。
 その女子生徒は椎名美月といい、郁美は彼女に悩みを全て打ち明ける。
 すると、美月は「うわべだけの友達かどうか見分ける方法」を教える。
 それは「今すごく困ってるから助けて」とメールを入れて、すぐに返信が来るかどうか…というものであった。
 これにより、郁美はほとんどの電話番号とメールアドレスを消去するが、彼女が関係を断った相手が次々と災難にあうようになり…」

・河村じゅん「私の居場所」(「ちゃおデラックス」2003年8月21日号)
「はるかは元気いっぱいの明るい女の子。
 彼女は母親と祖母の三人暮らしで、仕事の忙しい母親に代わり、家事を受け持っていた。
 また、彼女には佑介という恋人がおり、とても仲が良い。
 ある日、彼女のクラスに早川めぐみという少女が転校してくる。
 めぐみは可愛い顔をしていたが、とても大人しかった。
 はるかがめぐみに親切にしたことをきっかけに、めぐみははるかの真似をするようになる。
 めぐみにはるかのようになりたいと言われ、最初は喜んでいたのだが…」

 溝口涼子先生「ずっと一緒にいてほしい」は「人形もの」の佳作と言っていいのではないでしょうか?
 少女漫画風の絵で緊張感には欠けますが、ピノくんの目つきは笑ってしまうほどヤバいです。
 当時の少女たちにはかなりショッキングだったのではないでしょうか?

2024年10月6・7日 ページ作成・執筆

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