青木たかお「世にも奇怪な物語 XゾーンB」(2009年9月2日初版第1刷発行)

 Xゾーン。
 そこは、現実と闇の世界をただよう、恐怖の空間。
 そこに迷い込んだ者の運命は…?

・「約束の怪」
「高校生のマサルは祖父の葬式のために、田舎の実家に帰る。
 東京に帰る前に、周囲を散歩すると、彼の思い出の森は開発のため、失われていた。
 小学校高学年の夏、彼は昆虫最中に夢中になり、祖父に入ってはいけないと言われた森に入ってしまう。
 森の中には池があり、そこで彼は水坊という少年と仲良くなる。
 水坊は実は河童であったが、それでも、二人の友情は揺るがず、夏の間中、二人は遊んで過ごす。
 東京に帰る日、マサルは水坊に来年も遊びに来ると約束していたのだが…」

・「七不思議の怪」
「友人の結婚式のために、帰省する男性二人と女性一人。
 三人は小学校の頃からの付き合いで、四年ぶりの再会であった。  話しははずみ、小学生の頃、学校の七不思議を確かめるべく、夜中の学校に忍び込んだことに話題が及ぶ。
 その時は結局、七不思議のうち、三つしか確認できなかった。
 残りを見届けようということになり、三人は夜中、小学校へと向かう。
 だが、偶然にも異次元への扉を開けてしまった彼らを待ち受けるものとは…?」

・「かくれんぼの怪」
「横山浩は弟の浩二のかくれんぼにつき合わされて、ウンザリ。
 かくれんぼの鬼をしながら、弟なんかいなくなってしまえばいいのに、と願うと、弟の悲鳴が聞こえる。
 悲鳴のした部屋に行くが、弟の姿はどこにもない。
 すると、部屋のテレビが勝手に映り、弟が箪笥の中に引きずり込まれるシーンが映し出される。
 浩は母親に弟が消えてしまったと訴えるが、誰も弟のことを記憶しておらず、弟はこの世に存在しないことになっていた…」

・「小さいおじさんの怪」
「都市伝説の一つ、「小さいおじさん」。
 ユウイチは「小さいおじさん」をふとしたことから発見し、餌付けすることに成功。
 彼は「ちいさいおじさん」に愛着を感じるようになり、夢中になる。
 だが、怪しんだ友人達に「小さいおじさん」の秘密を明かさねばならなくなり…」

・「洞くつの怪」
「家族でキャンプ場を訪れたサトル。
 彼は、バーベキューの最中、両親に怒られたことにはぶてて、森に入る。
 そこで、洞窟を見つけたサトルは、妹の止めるのも聞かず、中を探検する。
 だが、すぐに行き止まりで、しらけていたところ、急に中が真っ暗になる。
 いつの間にか眠っていたサトルは目を覚まし、慌てて洞窟を出る。
 しかし、キャンプ場があった場所には見知らぬ風景が広がっていた…」

・「おんがえしの怪」
「福田良平は全てにおいてフツーの小学生。
 だが、蜘蛛の巣にかかっていた蝶を助けた翌日から彼の人生は一変する。
 野中さゆりという可愛い少女が転校してきて、彼女ととんとん拍子にラブラブの仲になる。
 彼女と仲良くなったことで、彼は皆の注目の的となり、友人も増え、毎日が活気に溢れる。
 しかし、ガキ大将タイプの巣黒ワタルが転校してきた日から彼の人生はまたもや一変することに…」

(「別冊コロコロコミック」2008年10月号〜2009年8月号掲載)

 相変わらず、清々しいまでのバッド・エンドの嵐で、心洗われます。
 個人的なお気に入りは「七不思議だよ全員集合!」な「七不思議の怪」と、オチがダークな「かくれんぼの怪」です。

2018年7月27日・8月3日 ページ作成・執筆

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