岡部閏
「夜人@」(2018年8月22日初版第1刷発行)
「夜人A」(2018年12月17日初版第1刷発行)

 単行本@(「裏サンデー」2018年5月26日配信分〜7月14日配信分掲載作品)
・「001:衣子」
 恩田衣子は幼い頃から異形のものを視ていたため、ずっと孤独であった。
 更に、彼女の部屋には、ウノ子という地縛霊がいついており、ストレスは溜まる一方。
 14歳の誕生日、父親が彼女に話し相手として、子犬をプレゼントしてくれる。
 彼女は喜び、子犬に「ピコ」と名付けるが、入浴後、彼女の裸体を見つめる幽霊がいた。
 しかも、その幽霊に身体を触られて…。
・「002:初夜」
 クールな空木と、おバカな高条は何故だか知らねど親友同士。
 ある日、空木の部屋で、二人で漫画読んで、ゲームアプリをして、ユーチューブをだらだら観て過ごす。
 その夜、二人はいつの間にやら幽体離脱していた。
 エロエロな高条は早速、この状態を有効活用しようとするのだが…。
・「003:膺懲」
 空木は衣子に全てを打ち明ける。
 衣子は、罰を与えるために、二人に幽体で彼女に部屋に来るよう言う。
 彼らへの「罰」とは…?
・「004:顔色」
 ウノ子と対峙する空木と高条。
 振り向いたウノ子が見せた、その素顔は人間とはかけ離れたものであった。
 二人はウノ子にどう対処するのか…?
・「005:朝曇」
 朝、衣子のアパートの前で、空木と高条が彼女を待っていた。
 二人は、衣子に花束を渡し、昨日の霊に供えるよう言う。
 ウノ子の件で、三人の仲はぐっと深まり、新たな展開を迎えることとなる…。
・「006:誘因」
 何故、幽体離脱ができるようになったのか?
 空木はその原因に心当たりがあるようであった。
 放課後、衣子は、子犬のピコと共に、彼の部屋を訪ねる。
 彼は「夜人」という動画に原因の可能性があると考えるのだが…。
・「007:黒衣」
 幽体離脱中の高条は、黒衣を着た幽体に声をかけられる。
 杏という名の幽体は、鈴木暁をリーダーとする集団の「夜人」であった。
 杏は高条を仲間のもとへと案内する。
 一方、空木の部屋では、「夜人」の動画を観た後、大混乱に陥っていた…。
・「008:寒鴉」
 見知らぬ霊に付いて行った高条を心配し、空木の幽体と衣子は彼を捜しに出る。
 その頃、高条はその集団から脱けようとするが、「カラス廃霊」が迫りつつあった。
 「廃霊」とは一体…?

 単行本A(「裏サンデー」2018年7月28日配信分〜10月6日配信分掲載作品)
・「009:姦盗」
 廃霊との戦いの最中、空木と衣子がやって来る。
 巨大な廃霊を視て、衣子は大したことないとあっさり。
 その廃霊に、ピコの幽体が襲いかかる…。
・「010:黎明」
 高条と空木は、杏を連れて、高条の家に向かう。
 彼の部屋には、彼の死体があるはずであった。
 だが、高条の身体は勝手に動いている。
 彼の身体に忍び込んだものは…?
 その頃、衣子は「夜人」達に取り囲まれていた…。
・「011:絶無」
 夜人達は衣子を「夜叉」と呼び、崇める。
 彼らは彼女を鈴木暁と引き合わせようとするのだが…。
 一方、空木と高条は、廃霊に乗っ取られた高条の身体を追っていた…。
・「012:夜霧」
 高条の家に向かう途中、衣子は高条の身体と会う。
 駆けつけた空木達から事情を聞かされた彼女は、高条の身体から廃霊を追い出そうとする。
 その為には、まず切断された霊子線をつながなければならないのだが…。
・「013:溢流」
 高条を救うには、廃霊を口から吸い出さなければならない。
 これをするのは誰か…?
・「014:漂暗」
 高条は昨夜のトラブルで入院し、空木と衣子は一緒に下校する。
 衣子のマンションの前で、二人は父親に会うが、父親はピコが目を覚まさないからと病院に連れて行こうとしていた。
 衣子が見上げると、夜人達と対峙するピコの幽体の姿が…。
 その後、空木が高条の病室を訪れると…。
・「015:剥取」
 高条の病室で、空木は女性の姿をした幽霊らしきものを視る。
 それは高条の幽体を身体から引きずり出していた。
 しかも、それは誰にも視え、見た者は自然に幽体離脱する。
 そのものの正体は…?
・「016:異院」
 高条の病室に鈴木暁が現れる。
 彼はその女の「魔」を知っているようなのだが…。
 その頃、衣子は異変を察知し、高条の入院している病院へと向かう…。
・「017:暴食」
 高条の幽体を捜すため、空木は幽体離脱する。
 どうにか見つけ出したものの、今度は「魔」に追われることに…。

 「青春ホラー」の傑作…になったかもしれない作品です。
 と言うのも、作者が途中で病気で倒れ、以来、ずっと中断しているからです。
 起承転結で例えますと、「起」で読者のハートをガッチリつかみ、「承」に入って、「さあ、これから!!」と思った矢先の休載…。
 続きを待ち望む声は多かったのですが、休載してから早や四年、どうも望みは薄そうです。

2021年10月16日/2023年1月20・25日 ページ作成・執筆

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