葉月シモン「裸足でシーサイド・ラブ」(1981年6月30日第1刷発行)
収録作品
・「裸足でシーサイド・ラブ」(1979年「週刊マーガレット」夏の増刊号連載)
「矢崎木の実は、高校二年の夏を、女友達の別荘で過ごすこととなる。
別荘に着いて早速、彼女が浜辺を散歩すると、帽子が風に飛ばされてしまう。
彼女の帽子をサーファーが上手くキャッチ。
サーファーの名は石田剛で、木の実は彼に好感を抱く。
その夜、木の実は女友達とディスコに行き、チンピラに絡まれる。
居合わせた剛は身体を張って、木の実達を助け、これをきっかけに二人の仲は急接近。
彼は彼女に本気になるものの、彼女の方は一夏の恋としてあきらめていて…」
・「ハート泥棒レピアン」(1979年「週刊マーガレット」春の増刊号連載)
「花の都パリを騒がす怪盗、レピアン。
素顔は不明、そして、大胆不敵なその手口に警察は右往左往するばかり。
しかして、その正体は、代々泥棒稼業のアルフォンヌ家の末裔であった。
ある夜、宝石を奪ったレピアンは、警官達をまいたものの、家出娘に正体を見破られてしまう。
仕方なく、彼は彼女を自分の邸に連れて行き、しばらく家に置くことにする。
家出娘の名はナタリー・ラフォンヌといい、何故か、彼女と一緒にいると心が安らぐ。
だが、彼女のせいで、宝石「ピンク・レディ」の盗難に失敗してしまい…」
・「ハート泥棒レピアン ―黄金の地中海―」(1979年「週刊マーガレット」29号連載)
「1979年夏。ニース。
レピアンの今回の標的は、ジャン・ガバン所有の五億フランの金塊。
偽名でコートダジュールに滞在していたところ、雑誌記者のアゼール・ド・サンドニスが彼を取材することとなる。
彼女は彼につきまとい、そっけない割に親身ある態度に、彼に対する好奇心は高まるばかり。
だが、レピアンがガバン邸に侵入した際、つけて来た彼女に正体を知られ、更に、右肩を銃で撃たれてしまう。
それでも、レピアンは獲物をあきらめず、アゼールと協力して、船内金庫の金塊を狙う…」
・「ラブパック特急」(1979年「週刊マーガレット」16号連載)
「パリ。リヨン駅。
女刑事ファリア・テレ―ズは特命を帯びて、アムステルダム行きの電車に乗りこむ。
特命とは、怪盗レピアンがルーブルから盗み出した宝石を取り戻すこと。
電車の中で、彼女は相棒となるルイ・ド・フェランと出会う。
二人は協力して、電車の中からレピアンを捜しだそうとするが、別の事件に巻き込まれることに…」
・「狂った時計」(1981年「週刊マーガレット」16号連載)
「義彦と京子は結婚を約束した恋人同士。
ある時、義彦が時計を拾うが、それは時間を止める時計であった。
最初のうちはイタズラをして楽しんでいたものの、次第に京子は欲が出始める。
彼女は時計を使い、あちこちの銀行から現金を盗み、大喜び。
彼女の欲望はとめどなく、義彦は時計を壊そうとするのだが…」
注目すべきは「狂った時計」。
「アウター・ゾーン」にありそうな話で、隠れたトラウマ・ホラーではないでしょうか?
ラストは、予想はできるものの、強烈なバッド・エンドです。
・備考
背表紙色褪せ。カバー痛み。
2022年1月15日 ページ作成・執筆