柿崎普美「吸血樹」(1981年7月30日第1刷・1985年2月15日第16刷発行)
「森沢杏は高校二年生の女の子。
勘が鋭く、バスケットボール部では一年生からレギュラー入り。
だが、半年前に、病弱だが、成績は優秀で美男という八雲に振られ、いまだにそれを引きずっていた。
加えて、八雲が恋人として選んだ、バスケットボール部の主将、青木が八雲とうまくいっておらず、やつれ気味なのが気になってしまう。
ある日、杏は、番長だったという噂のある転校生、阿久津圭にただならぬ雰囲気を感じる。
以降、学校では奇怪な出来事が続発。
日光が眩しいと、様子がおかしくなる生徒が相次ぎ、死者や行方不明者も出る。
それは全て、「ゾラ」という動物と植物の間の生物の仕業であった。
「ゾラ」は種を人間に寄生させ、人間から養分を吸い取ると、その人間と入れ替わってしまう。
阿久津圭は「ゾラ」から人間を救うべく一人奮闘していたのであった。
その秘密を知った杏は、その勘を活かし、阿久津圭の手助けをするが、「ゾラ」に狙われてしまう。
また、催眠術を使い、人間離れした身体能力を持つ、阿久津圭の正体とは…?」
(「週刊マーガレット」1980年47号〜1981年7号に連載)
1980年代に「週刊マーガレット」にて多くの怪奇マンガを上梓した、柿崎普美先生。
「白い手の殺意」の約二か月後から連載された本作で、遂に「本領」発揮です!!
今現在から見ても、グロ度は非常に高く、当時の読者だった少女達にはかなりショッキングな内容だったに違いありません。(三年半で16刷…。)
んで、人がガンガン死んで、ラストはやっぱり「SF/ファンタジー」で締めてくれます。(個人的には、ちょっぴり釈然としない設定ではあります。)
まあ、とにもかくにも、名作だと思います。
2016年6月27日 ページ作成・執筆