柿崎普美「青の天使たち」(1984年12月20日第1刷発行)

「一人っ子の晃(ひかる/16歳)は、運の非常に強い、平凡な女子高生。
 幼なじみのボーイフレンド、朱狛七尾(あけこま・ななお)は優しいものの、過保護過ぎて、ちょっとゲンナリ。
 ある夜、彼女は、イケメンの天使(表紙の画像を参照のこと)が扉を開けて、こちら側に入って来るという夢を見る。
 翌朝、その天使が、猛生(たけお)という名で彼女の兄になっており、誰もそのことを疑おうともしない。
 しかし、猛生の出現がきっかけとなり、七尾はその本性を現す。
 彼は「野狐族」の若頭で、その姿は七つの尾を持つ銀狐であり、猛生の命を狙う。
 かろうじて晃を七尾から奪い返した後、猛生は自分の正体について説明する。
 猛生(もう一つの呼び名は「きおう」)は、地球の中心となる神、竜王の部下であった。
 竜王は一億年の寿命を持つが、16年前、新しい竜の産まれる竜玉を、野狐姫に盗まれる。
 多数の戦士が追うものの、人間界と妖精界の狭間に閉じ込められ、ただ一人、猛生だけが、晃に呼ばれ、生き延びたのであった。
 野狐姫はしつこく晃を手中に収めようとし、猛生の心は、竜玉を取り戻すことと、晃を守ることの間で揺れ動くこととなる。
 竜玉の在処とは…?
 圧倒的に不利な状況下、猛生は野狐姫から晃を救うことができるのであろうか…?」
(1984年「週刊マーガレット」11号〜20号連載)

 大きな破綻はなく、毎度お決まりのパターン(突如現れたイケメンは異世界の人間で、ヒロインと恋愛関係となるというもの)さえ気にならなければ、それなりに面白いと思います。
 ただ、ことの発端が「痴話喧嘩」だったり、竜の力を封印するペンダントの必要性がちょっぴり引っかかったりしますが…。
 ちなみに、単行本化に際して、広告スペースだったところに、作者の近況報告がびっしり書き込まれており、味わい深くありました。
 とりあえず、「米米クラブ」(メジャーになる前?)に対する熱狂が伝わってきます。

2019年4月28日 ページ作成・執筆

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