柿崎普美「顔のない悪魔」(1986年2月28日第1刷・11月15日第5刷発行)

「私立王城高校に入学した未波絵瑠(みなみ・える)。
 王城財閥がバックにつく、この高校には特待生の制度があり、特待生に選ばれると、授業料等の免除に有名大学への推薦といいことづくめ。
 また、非常に豪華な特待生専用の寮があり、生徒達は皆、特待生に憧れていた。
 寮の手配の手違いから、絵瑠は、特待生専用の寮に入ることとなる。
 そこでは、特待生のトップかつ生徒会長である九条はるかが実権を握っていた。
 どうも九条はるかは絵瑠に気があるみたいだが、絵瑠は特待生達に冷たく、異質な雰囲気を感じ取る。
 そんな絵瑠を陰から見守る男子生徒、柳童界(りゅうどう・かい)がいた。
 絵瑠と界は初対面の時から互いに懐かしさを覚え、絵瑠は界のことが妙に気になってしまう。
 界は絵瑠に寮に入らないよう事あるごとに忠告するが、決して理由を言おうとしない。
 しかし、絵瑠は否応なしに怪事件の数々に巻き込まれることとなる。
 怪事件の裏で糸を引く、九条はるかの正体は…?
 そして、柳童界は一体何者なのであろうか…?」
(「週刊マーガレット」昭和60年22号〜32号)

 当時の人気作家だけあって、面白いんです。
 「悪魔は眠らない」程ではありませんが、適度なグロ描写もあります。
 んで、やっぱり、ラストに、柿崎普美先生独特の「非常に独特なSF/ファンタジー的設定」が出てきます。
 この「非常に独特なSF/ファンタジー的設定」をどう受け取るかで、本作の評価(というか柿崎普美先生の怪奇マンガ全般)はがらりと変わってしまうと思います。
 個人的には、気恥ずかしいのと、話がわかりにくくしている印象がありますので、苦手です。
 でも、ここまで「少女マンガ」していると、それはそれで味わい深いです。(何だかんだ言っても、好きなマンガなんです。)

2016年5月27日 ページ作成・執筆

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